kead=TrendForceによると、2023年第4四半期の電気自動車(EV)の充電向けインバータの台数は前四半期比で約12%増となる714万台に到達したという。主にEVの販売台数の伸びに併せる形で伸びており、主なけん引役はバッテリーEV(BEV)だとしている。
TrendForceによると、2023年第4四半期の電気自動車(EV)の充電向けインバータの台数は前四半期比で約12%増となる714万台に到達したという。主にEVの販売台数の伸びに併せる形で伸びており、主なけん引役はバッテリーEV(BEV)だとしている。
同四半期においては、BEV用インバータが全体数量の約53%を占めた。BEV以外にもHEV、PHEV、FCVなどが対象に含まれ、同四半期のEVインバータ市場規模は推定で44億ドル、そのうちBEVセクタが市場の60%以上を占めるという。
BEV用インバータの躍進は、電源コンポーネントが従来のSi-IGBTからSiCへと移行が進められていることも背景にある。SiCの導入により、インバータの電圧破壊能力と変換効率が向上し、それに伴い車両の航続距離も向上する。従来以上に効率的な充電が可能な高電圧EVモデルの導入も可能となり、同四半期には550Vを超す電圧に対応する車両向けインバータが全体の9%を占めるまでに拡大してきたとする。
また同四半期において、SiCパワー半導体を採用したEV用インバータは全体の15%まで成長してきており、SiCへの需要の高まりに対応することを目的に、多くの自動車メーカーでは上流のパワー半導体メーカーと直接提携して、数量の確保を進めている。例えば、SiCチップの設計と研究、そして製品開発における中Li Autoと中United Nova Technology(UNT)とは戦略的な協力関係を構築している。
さらに、自動車メーカーとTier1サプライヤは、車両の航続距離を向上させ、重量を軽減するために、電気モーターとインバータが重要な役割を果たすx-in-1電気駆動システムの導入を推進している。中でも中国勢は取り組みを加速させており、BYD、Leapmotor、Seresなどは8-in-1電気駆動システムを発売、東風汽車に至っては10-in-1のシステムを発表している。一方、デンソー、BOSCH、ZFなどといった世界的なTier1サプライヤは、従来からの3-in-1システムの開発に注力しているという 。