米国の宇宙企業「Axiom Space(アクシオムスペース)」は4月8日(米国時間)、3月末に宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した若田光一氏を、同社のアジア太平洋地域の宇宙飛行士 兼 最高技術責任者(CTO)に就任したことを発表した。

Axiomは2016年に設立された商業宇宙ステーション計画を推進する宇宙ベンチャー。同社は元米国航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士を民間宇宙飛行士として雇用し、国際宇宙ステーション(ISS)への商業飛行を実施するといったビジネスを手掛けており、Axiomとしても若田氏に対し、民間宇宙飛行士の将来のコマンダー(船長)としてチームに加わることを光栄に思っているとコメントしており、実際に同社の宇宙飛行士として宇宙に赴けば日本人初の民間宇宙飛行士として宇宙に行くこととなる。

若田氏は、これまで宇宙へは5回赴いており、その滞在時間も504日18時間35分と、日本人として最多および最長記録を有している。ISSでの日本人初のコマンダーにも就任しており、JAXA在籍時より宇宙飛行士として生涯現役を貫き通したいということを語っており、JAXA退職時にもその思いに変わりがないことを強調していたほか、地球低軌道における有人宇宙活動の部隊が民間に移行しつつある新たな時代における新たな挑戦に意欲を見せており、民間による宇宙活用を盛り上げたいとしていた。

なお、ISSは2030年に退役する予定だが、その後継となる民間宇宙ステーションの開発もAxiomは行っており、若田氏が民間宇宙飛行士として、ISSもしくはその後継となる民間宇宙ステーションに赴くこと可能性もある。

  • 若田光一氏

    2024年3月29日に開催されたJAXA退職会見の際の若田光一氏 (編集部撮影)