ベルギーimecは、スペイン政府および同国アンダルシア地方政府と共同で、300mmウェハ対応の試作ラインをスペイン・マラガに建設することに向けた覚書を締結したことを発表した。
同試作ラインでは、医療やライフサイエンス、フォトニクス、AR/VR(拡張現実/仮想現実)、精密センシングなどの用途に向けて、ベルギー・ルーベンのimecの既存の300mm先端CMOSプロセスラインにおける標準的なCMOSプロセスと互換性のない新材料や新技術を用いた非標準プロセスをベースとした特殊デバイスの技術開発を進める計画だという。
この取り組みの実現に向け、ベルギーならびにスペインの両施設は密接な連携を進め、互いに補完的に活動していくことが予定されている。
また、スペイン政府とアンダルシア地方政府は、成長する半導体エコシステムからの収益を確保することを目指し、持続可能かつ長期的な方法で試作ラインの運営を財政的に支援するとしている。一方のimecは、試作ラインの運営を管理し、必要な知識と技術を提供し、スペインの研究者の世界的な学術および産業界のパートナーネットワークへのアクセスを保証するとしている。
3者の協力によって建設されることとなる新施設は、国境を越えた専門知識と能力を活用して世界的な社会課題に対処し、スペインとアンダルシア地方におけるイノベーションの可能性を最大限に活用する目標を掲げている。なお、人材採用の見通しなど、施設運営の詳細については、今後の協議で決定するため、詳細はこれから詰めるという。