TrendForceによると、2023年第4四半期のエンタープライズSSD市場は、2023年第3四半期に行われた生産調整と、顧客の購買活動活性化やサーバメーカーの需要の高まりから、契約価格が上昇したこともあり、前四半期比47.6%増の約231億ドルに達した模様である。
2024年に入ってからも、サーバメーカー、特に中国メーカーからの注文が勢いを増している模様で、供給面も在庫水準の低下と赤字脱却に向けた価格の見直しにより、第1四半期の契約価格は同25%以上の値上がり幅と予想されており、市場規模も同20%増と伸びることが予想されるという。
2023年第4四半期の各社の動向
業界トップであるSamsung Electronicsの2023年第4四半期業績は、生産量の削減と注文の活性化により価格上昇が進み、出荷数量と販売価格ともに上昇したことから売上高も同64.3%増の9億6100万ドルとし、市場シェアも前四半期の37.4%から4ポイント近く伸ばし41.7%とした。
業界2位のSKグループは、北米の主要顧客からの新規需要を追い風に、同四半期の売上高を同96.9%増の7億6600万ドルまで伸ばした。これに伴い、市場シェアも第3四半期の24.9%から8ポイント以上高め、33.2%に到達。SamsungとSKグループの韓国勢のシェアは74.9%と市場全体の3/4を占めるほどとなった。
同3位のMicron Technologyは、契約価格の値上げにより、売上高を同6.8%増の2億5000万ドルに伸ばした。同社はエンタープライズSSD市場シェアの拡大を目指してPCIe 4.0製品を段階的に展開、232層製品のサンプル出荷と顧客による評価を進めており、今後の売り上げ増を目指している。。
このほか、同4位のキオクシアは、契約価格の上昇とPCIe 4.0製品の出荷増を背景に、売上高を同4.3%増の2億1700万ドルに伸ばしたが、同5位のWestern Digitalは、主力製品に対する需要の減少の影響を受け、売上高は同23.4%減の1億1300万ドルと上位5社として唯一マイナス成長を記録した。ただし、同社は、エンタープライズSSDではなく、クライアントSSD製品を戦略的な重点分野としている点に注意が必要である。