Samsung Electronicsが、日本の人工知能(AI)開発企業であるPreferred Networks(PFN)と次世代プロセスとなる2nmプロセスを用いたAI半導体の生産委託契約を締結した模様だと複数の韓国メディアが報じている。
Samsungにとっては社内向けを除き、2nmプロセスに対する初の生産受託になるというが、Samsungは取引先に関することはコメントしないとしている。
韓国の半導体業界関係者によると、SamsungはPFNからAIアクセラレータをはじめとする、2nmプロセスに基づくAI関連チップを受注した模様だという。これまでもPFNは自社用AI半導体を手掛けてきたが、その生産委託先はTSMCであった。
そのTSMCは、すでに2nm GAAプロセスを用いた半導体デバイスの試作品をAppleをはじめとする複数の大手顧客に公開しているといわれており、2025年の量産開始を目標にしているが、GAA構造をTSMCに先行して3nmプロセスから採用しているSamsungも、2nmプロセスの量産を2025年から開始することを予定している。
Samsungは、業界初となる3nmでのGAAプロセス立ち上げの際に、歩留まりを向上させるのに苦戦したと言われているが、2nmプロですでは、その経験の蓄積を生かす形でTSMCに対して技術的優位性を持つことを目指しているとのことで、すでに両社は、2nm市場での顧客獲得に向けた激しい競争を始めている模様である。
なお、韓国の半導体業界関係者の間からは、TSMCはすでに多くの2nmプロセスを利用したいという顧客を抱えているが、PFNのSamsungへの生産委託先の切り替えがSamsungの成長に向けて光明を与える可能性があるとの声もあるという。