タニウムは2月14日、事業戦略説明会を開催した。説明会は、2月1日付で代表執行役社長に就任した原田英典氏のお披露目の会ともなった。

CEOが語るタニウムの強みとは

グローバルの事業戦略については、米Tanium 最高経営責任者(CEO) ダン・ストリートマン氏が説明を行った。同氏は、「Tanium XEMプラットフォーム」について、次のように語った。

「IT環境は複雑化を増しており、企業は環境管理のために複数のツールと手間を割いている。XEMプラットフォームは、組織のサイロ化を解消し、コストを増やすことなく、IT環境の複雑さとリスクを軽減する。企業はサイバーハイジーンに貢献する技術を必要としているが、われわれのプラットフォームがそれを提供する」

  • 米Tanium 最高経営責任者 ダン・ストリートマン氏

また、ストリートマン氏はAI活用についても触れた。同社は昨年11月に、自律型エンドポイント管理(AEM)プラットフォームについて発表した。AEMは事前に設定された設定プレイブック、シームレスなプラットフォーム統合、AI主導の洞察、ワークフロー、修復を統合することにより、運用効率とリスク軽減を向上するという。

ストリートマン氏は、「AIベースのAEMを提供する舞台が整った。AEMはXEMに組み込まれており、運用チームとセキュリティチームが同一のプラットフォームを利用することが可能になる」と語った。

リアルタイムで収集しているエンドポイントのデータにAIをかけあわせることで、リスク軽減やインシデント修復に加え、被害を未然に防ぐという。

ストリートマン氏は、「真の自律型プラットフォームを提供できるのはタニウムだけ」とアピールした。

3つの柱から成る国内の事業戦略

続いて、原田氏が国内における事業戦略について説明した。同氏は昨年の実績として、国内のエンドポイントが300万まで増え、過去4年間のサブスクリプションの成長率が60%を超えているとして、同社のビジネスが好調であることを示した。60%の成長率は同社の中でも突出しているという。

  • タニウム 代表執行役社長 原田英典氏

原田氏は、新年度の事業戦略の柱として、「新規事業の40%成長」「サポート人員の倍増」「日本品質の追求」を挙げた。

新規事業の40%成長

従業員が5万人以上の超大手企業についてはアップセルによる売り上げ拡大を狙うのに対し、従業員が2万人から5万人未満の企業はまだリーチできていない企業もあることから、担当営業を増やす計画だ。

そして、従業員が数千人から2万人の企業に対しては、パートナーとのエンゲージメントを強化する。同社の営業がパートナーの営業と共に企業に対しアプローチするなど、行動改革に努めるという。

サポート人員の倍増

現在、同社の顧客数は1000社に達しているが、顧客満足度の維持が中長期の成長に向けて不可欠だとして、サポート人員を倍増する構えだ。

人数だけでなく、サポートの質の向上も図る。これまで特定のユースケースに対応するサポートチームはグローバルにしかなかったが、日本でも対応できるようエンジニアを配置しているそうだ。

日本品質の追求

あらゆる分野で日本製品の品質の高さは定評があるが、同社は日本の市場に即した製品開発に注力するという。原田氏は、昨年にリリースしたUSBの制御は日本の顧客のニーズに応えてリリースしたものであることを明かし、「日本の顧客のニーズを組んで形にするため、組織化して仕組みを作る」と述べた。

実際、隔週で行うCTOとのミーティングも開始しており、今後はローカリゼーションの強化と品質強化に取り組む。

原田氏は、同社のプラットフォームが収集したデータを活用して、顧客企業の食堂で提供する料理の調整に成功し、フードロスを解決した例を挙げ、「これからは脱セキュリティベンダーを目指す」と力強く語った。