HTB北海道テレビは2月13日、2024さっぽろ雪まつり雪のHTB広場において、2月4日～9日に情報通信研究機構（NICT）、NTTアドバンステクノロジ、神奈川工科大学、池上通信機などと共同でJGN（Japan Gigabit Network）回線を活用した超広帯域映像伝送実験を実施した結果を公表した。

今回の実証実験においては、先端ネットワーク技術・映像配信実験、および、リモートプロダクション・遠隔運用実験などに成功したとのことだ。

先端ネットワーク技術・映像配信実験

先端ネットワーク技術・映像配信実験では、札幌 - 秋葉原間をOpen APN（All-Photonics Network）で接続し、JGNとの伝送遅延差の測定と過負荷試験を実施。GigE規格の市販カメラ（RDMA：Remote Direct Memory Access）により、4K非圧縮・低遅延・長距離映像を配信し、低遅延の測定と双方向のコミュニケーションへの影響を確認した。

8K-3D映像処理と22.2ch音声伝送による高臨場感通信や、IPを用いた番組制作システムの標準技術NMOS（Networked Media Open Specifications）のAPI（Application Programming Interface）評価にも成功している。

リモートプロダクション・遠隔運用実験

リモートプロダクション・遠隔運用実験は、利便性向上などの付加価値提供が容易な放送システムのIP実用化を目指して、AMWA NMOS国際技術勧告に基づき実装された制御技術の超広域展開を実施た。東京 - 札幌の各拠点に配置するRDS（Registry and Discovery Service）レジストリに対し、階層型RDSとフィルターAPI機能で動作するスケジューラの作成とリソースの最適配置に成功したとのことだ。

また、IPリモートプロダクションの中核技術の１つである超高精度時刻同期（PTP）により、超高精度の許容範囲である1マイクロ秒以下を担保した長距離伝送および遅延補正実験にも成功。

  • 雪のHTB広場　大雪像「旧札幌停車場」

    雪のHTB広場　大雪像「旧札幌停車場」

  • 雪まつり会場に設置された8Kカメラ

    雪まつり会場に設置された8Kカメラ