東北大学とSWCCは2024年2月1日付で、東北大学片平キャンパスの金属材料研究所に「SWCC×東北大学 高機能金属共創研究所」を設置したことを発表した。

同研究所は、数々の新物質・材料を創製してきた金属材料研究所を有する東北大学が培ってきた最先端材料に対する研究資源と、電線・ケーブルを中心とするさまざまな製品を通して培ってきたSWCCの金属に関する開発・製造力を集約することで、SWCCが掲げるパーパス(いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ)を軸とした持続可能な社会の実現と研究開発テーマの探索および推進を目指して設立されたもの。

  • 共創研究所の共創活動イメージ

    SWCC×東北大学 高機能金属共創研究所の共創活動イメージ (出所:東北大学)

SWCCは、これまでにも宮城県柴田町にある仙台事業所に金属材料開発部門と銅合金線材の製造部門を有し、モビリティ分野のヒーター線などの銅合金製品開発から製造までを一貫して行ってきたが、今回の共創研究所の設置により、東北大学での基礎研究とSWCCでの製品開発・製造までのプロセスが仙台地区に集約されることとなり、新製品開発や社会実装の加速が推進されることが期待されるとしているほか、合金設計や金属材料開発技術、金属加工技術の強化が進み、さまざまなソリューションへの展開も期待されるとしている。加えて、研究開発のみならず、共創研究所の幅広い共創活動を企画・遂行することにより、未来につながる技術研究開発の推進、学理の探究と応用の研究を通じ高度な材料科学研究者の育成も目指すとしている。

なお、同共創研究所の設置期間は2024年2月1日~2027年3月31日を予定。運営統括責任者は東北大学 金属材料研究所の森下 裕一 特任教授(SWCC技術開発本部長)、運営支援責任者は、同大 金属材料研究所 強磁場超伝導材料研究センターセンター長の淡路智 教授が就任。その他、SWCCと東北大学の双方から多数の研究者が参加予定で、主に、「銅合金を中心とした革新的な材料や加工技術の新規探索」と「将来課題を見据えたテーマを探索・遂行できるコア研究人材の育成」の2つを軸として活動していくとしている。