半導体リバースエンジニアリングおよび情報プロバイダ―の加TechInsightsで半導体市場動向調査を担当するMcClean Report部門(旧IC Insights)が、2023年の半導体企業売上高ランキングトップ25を発表した。
ただし、多くの企業がまだ2023年第4四半期(10~12月)の決算を発表していないため、第1~3四半期の実績値に第4四半期の各社ガイダンスあるいはTechInsightsによる予測値を加える形で年間売上高を試算したものとなっているため、第4四半期の各社の決算結果次第でランキングが変動する可能性がある点に注意が必要である。
ちなみに、他の調査会社による売上高ランキングの多くが売り上げのダブルカウントを避けるため、デバイスメーカーの下請け的存在であるファウンドリを除外しているが、TechInsightsではIC Insights時代からの伝統でファウンドリを含む形でランキングを公表してきた。ファウンドリの規模の大きさを調査レポートの主たるクライアントである装置材料メーカーが認識し、自社製品の売り込みなどに役立ててもらうためだという。
McClean Reportでは、各社の売上高を、ICと非IC(O-S-D:オプトデバイス-センサ/アクチュエータ/ディスクリートデバイス)に分けて集計し、その合計額を半導体売上高の総額として順位付けを行っている。
上位25社の2023年売上高合計額は前年比11%減
2023年の売上高上位25社の企業の顔触れは前年と変化していない。その上位25社の2023年の売上高合計額は前年比11%減の5168億ドル、上位10社の売上高合計額は同9%減の3578億ドルとなっている。
また、2023年の売上高トップは前年比9%減とマイナス成長となったものの、前年トップだったSamsungがメモリ不況とICファウンドリ事業の低迷の影響により、同37%減と大幅マイナス成長となったこともあり、TSMCが射止めた。上位25社中、プラス成長を達成したのは、3位のNVIDIA、6位のBroadcom、9位のInfineon、10位のSTMicroelectronics、15位のNXP Semiconductors、17位のソニー、19位のMicrochip Technologyの7社のみ。多くがマイナス成長となった背景には、「半導体の需要減退」と「スマートフォン、パソコン、データセンタサーバー、およびその他の最終応用製品の在庫増加」によるとMcClean Reportは指摘している。
上位25社中に日本勢は3社がランクイン
2022年のトップだったSamsungは、上述のとおり前年比37%減と大きく売り上げを落とした結果、4位に後退。2位は前年3位のIntelが同16%減ながらSamsungの後退のおかげもあってランクアップを果たしている。3位はNVIDIAで同102%増という驚異の成長率を達成。前年8位から一気に上げてきた。
また上位25社中、日本勢は3社がランクインしている。日本勢トップはソニーセミコンダクタソリューションズで前年19位から17位に順位を上げている。一方、前年17位で日本勢トップだったルネサス エレクトロニクスは、同7%減のマイナス成長となり18位へと後退。前年18位だったキオクシアはNANDメモリの不況の影響から同36%減となり23位まで後退している。