半導体ウェハの高精度検査を高速で実現
東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー(東レエンジMI)は12月5日、半導体ウェハの高精度検査を高速で行える外観検査装置「INSPECTRA SR-IV」を開発し、同月より販売を開始することを発表した。
先端半導体製造における検査課題
現在、電気自動車(EV)やモバイル機器のさらなる高機能化で、半導体に対する高性能化ニーズも高まりをみせつつあり、それに伴って半導体回路の微細化や多層化が進むなど、半導体の製造技術そのものも高度化が進んでいるが、併せて工業製品としての製造効率を落とさないタクトタイムで欠陥検査を行うことが求められている。しかし、一般的に検査時の倍率を高くした場合、検査する際に使用する顕微鏡の視野サイズが狭くなるため、検査時間が長くなり効率が悪くなるほか、視野が狭まることで光学条件が悪化しクリアな画像を取得しづらくなることで精緻な検査を行うことが困難になる課題があったという。
こうした課題を克服するため、同社は5~20倍の顕微鏡で検査を行う高倍率検査において、従来比2倍の撮像周期で画像取得できる光学ヘッドを新たに開発。検査時間を現状比で約1/2に高速化したほか、これまで手動で調整・設定していた光学条件を自動で設定できる機能も開発したことで、光学条件の設定時間の短縮も実現したという。
受注目標は2028年度に100億円
同社は同製品を、高精度で高効率な半導体ウェハ検査へのニーズが特に高まっている車載用半導体などを展開する顧客に提案していくことで、2024年度で25億円、2028年度には100億円の受注高を目指すとしている。
なお同社は今後も、光学式・電子線式の各半導体検査装置を展開していくことで半導体の性能向上や信頼性向上に貢献し、電力化による低炭素社会の実現に貢献したいとしている。