台湾の成熟プロセスを主軸としているUMC、Powerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)、Vanguard International Semiconductor(VIS)のファウンドリ3社が、2024年第1四半期(2024年1~3月)の製造受託価格を10%以上引き下げることを検討、顧客によっては15~20%ほどの引き下げを行うことを検討しているという。

台湾の半導体業界関係者によると、成熟プロセスに対する顧客からの発注が減少しており、各社の工場稼働率も60%前後まで低下しているためで、値下げ幅はここ最近では最大のものになるとみられるという。

ただし、先端プロセスを主軸に据え、堅調な業績を維持しているTSMCは成熟プロセスに対する価格の引き下げを行わないと見られている。というのもTSMCの成熟プロセスはこれまでも大幅な値上げを行っていなかったためで、顧客も価格の据え置きを受け入れているものと見られているためだという。

成熟プロセスを用いて、主に200mmウェハで製造される電源管理ICやドライバIC、マイコンなどは2021年から2022年にかけて発生した半導体不足の際に、IDMやファブレスが大量に重複発注を行った結果、在庫の消化が優先される状況にあるという。また、こうした製品の一部が200mmウェハ工場の生産能力拡充の余地がないことを踏まえ、300mmウェハでの生産に切り替えられたことも、200mmウェハ工場の稼働率が上がらない要因になっているという。