中国最大のファウンドリであるSMICは11月9日、2023年第3四半期の決算概要を発表した。

それによると、同四半期の売上高は前年同期比15%減、前四半期比3.9%増の16億2060万ドルで、ガイダンスの中間点となった。また、純利益は同80%減の9300万ドル、粗利益率は、前年同期の38.9%、前四半期の20.3%に対して19.8%にとどまった。

スマートフォン(スマホ)需要の低迷に加え、米中対立の影響で中国外の企業からの売り上げが落ち込んだことが影響しているとするが、全体の出荷量は前四半期比9.5%増と伸びたとする。ただし設備投資に伴う生産能力の増強の影響から全体で79.6万枚と増加したため、工場の平均稼働率は1.2 ポイント低下の77.1%となったとしている。

また、2023年第4四半期のガイダンスとして売上高は前四半期比1%~3%の増加とする一方、新規生産能力の減価償却が増加することから、粗利益率は16%から18%の範囲に留まるともしている。

2023年年間設備投資額を期初計画の2割増しに引き上げ

SMICは決算発表に併せて、2023年の年間設備投資額を期初計画に比べて2割近く上方修正させることも明らかにした。

米国の対中半導体規制の長期化、ならびにさらなる規制強化に備えて、先手を打つ形で製造装置の購入を増やしたためで、その結果、2023年通年の設備投資額は期初時点では前年並みとしていたものが、最終的には期初比で18%増となる75億ドル程度に引き上げられることとなるという。また、そうして購入した製造装置の多くが2023年末までに引き渡されることになる予定だともしている。

Huaweiの新型5Gスマホに搭載されていたプロセッサがSMICの7nmプロセスで製造されていたことを受け、米国商務省は対中半導体規制のさらなる強化を検討していると噂されており、SMICとしてはそうした規制強化の前に生産能力の拡充を図りたいという思惑から、製造装置の調達を急いだものと思われる。同社は現在、北京、上海、天津、新センなどで半導体工場の新・増設を進めており、2024年以降も大量の半導体製造装置の設置を必要としている。