HORIBAグループの中でも半導体事業を進めている堀場エステックは、最新の半導体プロセスに対応する要素技術開発の強化を目指し開設した「京都福知山テクノロジーセンター」に新棟を増設することを発表した。現施設に隣接する土地はすでに取得が済んでおり、2024年1月に着工し、2025年4月に竣工予定だという。
京都福知山テクノロジーセンターは2013年12月に開設した堀場エステックの半導体プロセスにおける研究開発拠点で、2017年7月にはガスの質量流量校正における国際規格ISO/IEC 17025の認定を取得するなど、流体の質量流量を計測し流量制御を行う機器である「マスフローコントローラー」に求められる高度な品質水準を提供してきた。
同社では、新棟建設を決定した背景として、2023年が同研究開発拠点が開設されてから10年目という節目を迎える年である点を踏まえ、先端半導体プロセスを取り巻く市場環境の変化や技術開発スピードの加速要求、顧客から求められる品質ニーズのさらなる向上などに対応する必要性なども生じていることから、コア技術であるガス流量制御や液体気化技術の高度化、次世代技術開発の強化などの必要性が高まったことをあげており、本社にある「HORIBA最先端技術センター」や米ホリバ・インスツルメンツの「HORIBA Reno Technology Center」と強固に連携した研究開発を行うことで、半導体事業の成長を目指したいとしている。
なお、堀場ステックでは、京都福知山テクノロジーセンターの増設内容として、流量標準技術の研究開発や各種実験エリアを拡大させることで、流体計測制御の基礎を支えている要素技術研究強化を図っていくとしているほか、今後の重要領域の1つである各種プロセスモニター評価が可能な実験室を新設し、既存製品の性能強化や新製品開発強化を図るとともに、協業ラボスペースも新設することで次世代技術の実現を目指すとしている。また、協業の加速ならびに従業員がより意欲的に働ける快適な拠点にすることを目指し、吹き抜けのエントランスや採光性の高いテラス、多目的スペースとしても活用できるカフェテリアなども備え、快適な空間の整備も進めていくことで、研究開発の促進を図っていきたいとしている。