オランダ政府は、9月1日より先だって予定していた通り、先端半導体向け製造装置に関する輸出規制を強化した。これにより、指定された種類の先端半導体用製造装置を輸出する際には同国政府の許可が必要となった。

すでに米国ならびに日本でも同様に先端半導体向け製造装置の輸出規制が実施されており、こうした動きに歩調を併せたものとなる。

米国のバイデン政権は、2022年10月に中国に対して先端半導体に関する広範な輸出管理規則を発表し、日本とオランダにも、この規制強化の一環として協力を要請。両国は2023年1月にこの動きに同調することで合意に達しており、すでに日本ではオランダに先んじる形で7月23日より規制強化が実施されている。

今回のオランダ政府の規制強化には、すでに規制済みのEUV露光装置に加えて、ArF液浸露光装置を中心としたDUV露光装置が対象になったことが話題になっているが、実際には、これDUV露光装置以外にも「EUVペリクル」「EUVペリクル製造装置」「ALD」「Si、SiGe、炭素ドープSiGeのエピタキシャル成長装置」「low-k膜堆積装置」なども規制対象となっており、オランダの2大半導体製造装置メーカーであるASMLとASMIの両方がこの規制の直接的影響を受けることになる。

なお、オランダ政府による規制対象となる詳しい機種やその仕様に関してはオランダ語で書かれた同国の官報にて確認することができる。