ウイングアーク1stが8月30日に発表した「営業組織の予算達成に関する実態調査」の結果によると、売上高100億以上の営業部の役職者のうち予算達成状況を完全可視化できているのは38.1%に留まっており、プロセス定義が課題だということが分かった。
同調査は同社が7月21日~24日にかけて、売上高100億以上の営業部の役職者を対象にオンラインにより実施したものであり、有効回答者数は514人。
自身の組織における営業活動の可視化の程度を尋ねたところ、予算達成状況(当期予算と当期受注実績)は「完全に可視化できている(100%)」が38.1%、「ほぼ可視化できている(80%以上)」が28.0%だった。
来期予算達成に必要な今期の見込み予算達成状況は、「完全に可視化できている(100%)」が23.2%、「ほぼ可視化できている(80%以上)」が29.8%となった。
前問のいずれかの選択肢で「あまり可視化ができていない」「全く可視化できていない」とした回答者に、営業プロセスの可視化において実感しているハードルを聞くと、「プロセスが定義されていない」が38.9%と最も多く、以下「属人化によって一定成果が出ているので変えづらい」(30.0%)、「そもそも判断材料となるデータがない」(28.9%)が続く。
全回答者に、営業の活動指標(コール社数、訪問社数、商談化数など)はどの程度データとして記録できているかを質問したところ、「1~3個」が14.6%、「4~10個」が24.3%だった。
予算達成状況のリアルタイムな把握ができているかを聞くと、「常に把握できている」が41.4%、「部下からの報告にて把握している」が35.4%となった。
受注状況のリアルタイムな把握については、「常に把握できている」が35.4%、「部下からの報告にて把握している」が39.7%だった。
見込み商談数のリアルタイムな把握では、「常に把握できている」が24.7%、「部下からの報告にて把握している」が43.2%となった。
予算達成における着地の予測ができているかを尋ねると、68.7%が「予測できている」と回答した半面、「予測できていない」が21.6%に上る。
前問で予算達成状況を「予測していない」「わからない答えられない」以外を選択した回答者に把握方法を聞いたところ、「Excelシートの運用」が39.4%で最も多く、「予算管理ツールの運用」が22.9%で続いた。
全回答者に、予算達成にあたり、活動進捗や実績、顧客情報などのデータ活用はどの程度重要だと思うかを質問すると、「非常に重要だと思う」が53.1%、「やや重要だと思う」が33.5%だった。
前問で「とても重要だと思う」または「やや重要だと思う」とした回答者に、現在の予算達成プロセスにおいて、どの程度でデータ活用できているかを質問したところ、「完全に活用できている(100%)」が12.1%、「ほぼ活用できている(80%以上)」が39.3%となった。
全回答者に、デジタル・シフトの過程において社内調整・稟議過程で頓挫した経験があるか尋ねると、「頓挫した経験がある」が39.3%、「頓挫した経験はない」が36.0%と、両者の差は小さい。
前問で頓挫した経験があるとした回答者に、その要因を聞いたところ、「予算を圧迫すると判断されたため」が44.6%で最も多く、以下「社内調整に時間がかかりすぎたため」(36.1%)、「稟議内容の実施により工数がかかりすぎると判断されたため」(33.2%)と続いた。
全回答者に、自社のレベニュー・マネジメント(営業部、マーケティング部、カスタマーサクセス部など収益に直接関与する成果および投資を部門横断で連携し、全体収益の最大化を目指すマネジメント)の実態を尋ねると、「実施しているが不十分」が36.0%と最も多く、「実施しようとしているができていない」が19.8%で続く。
自身の営業組織における分業化について質問したところ、レベニューOps(レベニュー・オペレーションズ)は「営業部内にある」が20.8%、「営業部外にある」が25.3%で社内設置率は46.1%となり、2022年の調査に対して141.4%と伸長している。