三菱電機は8月29日、パワー半導体のウェハプロセス工程を担うパワーデバイス製作所 福山工場にて進めていた、同社初の300mm(12インチ)ウェハ対応生産ラインの設置が完了したことを発表した。

同生産ラインは、同社のSiパワー半導体のウェハプロセス工程における生産能力を2025年度に2020年度比で約2倍に増強することを目的に設置が進められてきたもの。2024年度からの量産を予定しており、すでに同生産ラインで製造したウェハを用いたパワー半導体チップの試作品を評価したところ、設計通りの性能が得られたことも確認済みだという。

パワー半導体の需要は世界的な脱炭酸社会化やデジタル化の潮流の中で年々増加傾向にあり、安定した供給が求められている。同社に先駆け海外勢を中心に、すでにパワー半導体の300mm化が進めており、同社以外の国内勢も追随する動きを見せている。同社でも、今回の生産ライン設置を踏まえ、パワー半導体の生産能力を増強し、市場へ安定供給することで脱炭素社会の実現に貢献していくとコメントしている。

  • 三菱電機 パワーデバイス製作所 福山工場に設置された300mmパワー半導体ラインで製造された300mmウェハ

    三菱電機 パワーデバイス製作所 福山工場に設置された300mmパワー半導体ラインで製造された300mmウェハ (出所:三菱電機)