台湾の日刊経済紙である工商時報がJPMorgan Chaseの台湾子会社の調査として、AI半導体の需要急増でTSMCの先進パッケージング技術「CoWoS」の生産能力が予想よりも早いペースで拡大しており、2024年末までに月産能力は2万8000枚に達する見通しだと報じている。
同調査によると、2023年下半期もAI半導体の需要は引き続き旺盛で減速するようなことは無く、サプライヤ側の供給不足は20%~30%に達しており、そのボトルネックの主な要因がCoWoSの生産能力で、高帯域幅メモリであるHBMの生産能力も不足しているという。
また、2023年のCoWoSの生産量の6割がNVIDIA向けで、現在、TSMCはNVIDIAの生成AIや大規模言語モデル(LLM)向けGPU「H100」を180万〜190万セット生産することができるが、2024年に向けて生産能力の継続的な拡大により、H100の供給可能数は410万~420万セットにまで拡大される見通しだという。
TSMCは2023年6月、新竹科学園区竹南学園区で先進パーケージング・検査工場「AP6」を稼働させるなど、自社での生産能力拡大を積極的に進めているが、加えてパッケージングおよびテスト受託企業(OSAT)にも委託しており、OSAT側も積極的にCoWoSの生産能力拡大を進めている模様である。例えば、
なお、先進実装技術としてUMCのシリコンインターポーザーの月産能力が2024年下半期(7〜12月)には5000〜6000枚に達するとみられるほか、ASEのチップ・オン・ウエハ(CoW)や、Amcorのチップ・オン・サブストレートも一定の生産能力の増加が見込めるものの、H100のような最先端ハイエンド製品への採用は難しく、A100やA800などといった旧モデルにそうした技術が採用される見込みだという。