【物流スタッフに聞く】MAU1億人の中国越境ECアプリ「POIZON」の物流拠点

POIZON global limitedは、MAU(月間アクティブユーザー)が1億人を上回る、越境ECアプリ「POIZON」を運営している。「POIZON」の平均顧客単価は約2万円となっており、ユーザーは高い購買力を持っている。2023年の七夕の中国ECセールイベントも、好調だったという。同社の事業のキモといえるのが「物流拠点」だ。そこで働くスタッフの劉福奇氏と辰佳氏に、業務内容や、日本での働き方・過ごし方について話を聞いた。

「POIZON」は中国発のアプリECで、中国や欧州など、世界的に展開している。アプリの一日の平均利用者数は、1200万人となっている。アプリユーザーの多くは中国のZ世代だという。

同アプリに日本国内の事業者の新規出品が相次いでいるという。初期費用・月額利用料は無料で、日本国内の倉庫に商品を送付するだけで配送作業が完了する。「POIZON」に出品すれば、中国市場に、国内からアプローチが可能となる。

同社の日本事業責任者・Anan Meng氏は、「『POIZON』の利用は、販売チャネルの新規拡大や商機につながっていく。『登録しないと損』ではないかと考えている。ウェブページからの『出店申請』も受け付けている。アプリをダウンロードすることで、『お試し出品』も可能だ」と語った。

中国のECセールイベントに乗じて、「POIZON」のアプリ上でも、年中さまざまな商戦を展開している。11月11日の独身の日「W11(ダブルイレブン)」を筆頭に、元旦、2月のバレンタイン、3月8日の「婦人節(女王節)」、七夕、9月の新学期、12月のクリスマスなどが特に人気のイベントだ。

主力商品カテゴリーの一つは「スニーカー」。「服」や「靴」から「バッグ」「腕時計」「アクセサリー」など、いずれも大幅に売れ行きが伸びているようだ。

さまざまな商品を取り扱う同社は、東京・品川に物流センターを有している。セラー(POIZON に出品する日本企業)が大量に出品する場合、品川の倉庫では、商品を保管するフルフィルメント機能も提供しているという。

【品川倉庫 物流スタッフに聞く①】

▲劉福奇氏

<日本は努力すれば夢を実現できる国>

――中国生まれと言うことですが。

中国の大連で生まれました。大連は、海辺にある街であるため、海鮮が安くておいしいところが魅力の1つです。

中国にいた頃、自分は先生や学校にとって、「良い学生」ではなかったと思います。やりたいことは多々あったのに、実現できなかった心苦しさを今でも覚えています。

日本は努力すれば夢も実現できる国なので、今も毎日夢を追い続けています。

――あなたが大切していることは?

自分にとって大切なことは、「楽しい仕事」「愛する人」「将来への希望」の三つです。最も好きな言葉は、「日が沈んだら月が昇る。月が沈んだら朝日が昇る」。希望や夢は何よりも大事だと考えています。

――休日の過ごし方や、リフレッシュ方法は?

バイクでドライブに出かけたり、釣りをしたりしています。特にバイク関係全般が好きです。

普段から緊張感を持って仕事しているので、休みの日はなるべく仕事を考えないように思い切って遊んでいます。

日本のテレビ番組も観ます。特に、テレ東の【Youは何しに日本へ】という番組が好きです。空港で来日した外国人にインタビューする番組です。みんなそれぞれが夢を持って日本に来ています。番組に出演する一人一人に、来日当時の自分を重ねて、番組を視聴しています。「初心を忘れてはいけない」と、いつも自分に言い聞かせています。

<「POIZON」の最先端の物流事業に学ぶ>

――POIZONの物流スタッフを志望した理由は?

以前はロボット開発会社に勤めていました。物流現場に使われるロボットだったので、その時から「物流」にとても興味がありました。POIZONは国際物流やサプライチェーン分野において有名で、前々から耳にしていました。POIZONが日本での展開をスタートしたため、入社できれば、「世界最先端の物流事情に精通できる」と考え、すぐに物流・サプライチェーンのポジションに応募しました。運よく縁があって現在の職場で働くことになったので、日々楽しく学んでいます。

――仕事でやりがいを感じる点を教えてください。

今の主な仕事は、「イレギュラーオーダー」への対応です。

具体的には、受注後にセラー(「POIZON」への出品企業)から送られてきたパッケージに問題があった場合、「その発注はどう処理するべきか?」「セラーは何に困っているか?」などを把握して、セラーのニーズに合った解決法を提案しています。

セラーとコミュニケーションを取りながら、問題を解決する中で、「人の役に立てていること」に喜びを感じています。日々どのような問題が発生するかは分かりませんが、想定外のトラブルをしっかり解決できた時には、大きな達成感があります。

チームメンバーが楽しい人なので、アットホームな職場の雰囲気もとても好きです。

【品川倉庫 物流スタッフに聞く②】

▲辰佳氏

<POIZON初の海外物流拠点で勤務>

――POIZONではどのような業務をしていますか?

私の主な業務は、仕組みや制度によって「現場のミスをなくすこと」です。

中国企業の海外進出に貢献できることが嬉しいです。特に、POIZON創業後、海外の初の物流拠点で働けることに誇りをもっています。サードパーティという立場から、買い手と売り手の架け橋になって、両者を喜ばせることができることに、やりがいを感じています。

<イーコマース業界の発展が加速>

――入社の経緯を教えてください。

初めて入社した企業は、日本の国際特許事務所でした。しばらくして、日本で旅行業界に転職しました。若かったこともあり、「色々なところに遊びに行きたい」という気持ちが強く、「旅行にかかわる仕事できればいろんな場所にいける」と考えたからです。旅行会社にいたことで日本全国の47都道府県に訪れることができ、とても嬉しかったです。

その後、コロナ渦になり、イーコマース業界が流行り出しました。特に、越境ECの発展が加速してきました。POIZONがちょうど日本に参入したタイミングで、入社しました。POIZONのことは、学生時代から知っていましたし、「この会社に入ったら最先端のイーコマース業界について勉強できる」と考え志望しました。

――休日の過ごし方、リフレッシュ方法は?

プロジェクターで天井に映画を投影し、床に横になって視聴しています。おいしい料理を作って、お酒を飲みながら、家で食事する時間も大切にしています。

最近、東京・赤坂にある「香港庭」という店の中華料理にはまっています。

休みの日はなるべく仕事のことを考えないようにしています。

趣味は旅行です。他には歴史の本を読んだり、観葉植物の世話をしたりするのも好きです。

▶POIZONウェブサイト

https://www.poizon.com/?lang=ja