Infineon Technologiesは、28nmプロセスセキュリティコントローラとなるセキュリティコントローラファミリ「TEGRION」を発表した。

同ファミリは、新たなIntegrity Guard 32セキュリティアーキテクチャとArm v8-M命令セットを統合することでデバイスの性能を強化。これにより、長期間にわたって製品ライフサイクルをサポートしながら、容易な実装、迅速なデザインイン、市場投入までの時間を実現すると同社では説明している。

また、高効率のエラー検出/訂正コードとセルフチェックのデュアルCPUコアがシステムを保護するほか、高い電力効率の暗号アクセラレータにより、サイドチャネル攻撃、故障注入攻撃、物理的攻撃からシステムを保護しながら、高速なデータ暗号化、デジタル署名、その他の暗号処理を可能にするともしている。

すでに2022年11月に先行して発表済みの「SLC26P」には、決済市場向けのEMVCo認証が含まれており、現在、量産体制に入っているという。さらに、TEGRIONセキュリティコントローラに基づく初の実装となる「SECORA Pay決済ソリューション」は、144バイトキーによる新しい Mastercard 2023パフォーマンスガイドラインに基づいており、155ms以内の非接触トランザクションが可能になるという。

  • TEGRIONのイメージ

    TEGRIONのイメージ

なお、同社では今後も製品ラインナップの拡充を図っていくとしており、2023年末までにeSIMおよびセキュアエレメントの分野だけでなく、政府の身分証明書、交通機関の発券において、28nmプロセスの利点をより多くのアプリケーションに提供する予定としている。