適格請求書(インボイス)などの保存を仕入税額控除の新たな要件とする「インボイス制度」の開始まで残り2カ月を切った。同制度が施行されると、売り手が一定の要件を満たしたインボイスを発行しなければ、買い手は仕入税額控除(※1)ができなくなる。

インボイスを発行するためには、2023年9月30日までに税務署長に申請して登録しなければならない。加えて、消費税を納付する義務がある課税事業者のみしかインボイス制度の登録ができないため、納税義務が免除されている免税事業者は同日までに課税事業者へ転換するかどうかを決めなければならない。ネットでは「どちらを選んでも地獄」といった声もちらほら見られる。

(※1)仕入税額控除とは、消費者が負担した税と事業者が納付した税の額を一致させる仕組み。具体的には、売上時に預かった消費税から、仕入れなどを通し支払った消費税を差し引いて納付税を計算する。インボイス制度開始後は、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者のみが発行を許されるインボイスの保存が仕入税額控除の要件となる。そのため、免税事業者は取引先から取引排除や不当な値下げを強いられる可能性がある。
  • インボイス制度で納税額が増大する可能性がある 資料:リコージャパン

    インボイス制度で納税額が増大する可能性がある 資料:リコージャパン

順調に進まない企業と個人の対応

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