Microsoftは7月17日(米国時間)、「Windows Server end-of-support (EOS): Upgrade seamlessly with Azure Migrate (Public preview) - Microsoft Community Hub」において、Windows Serverのアップグレードをより簡単に実施するためのツール「Azure Migrate」をパブリックプレビュー版として公開していると伝えた。Windows Serverのアップグレードに躊躇している管理者にとって、現実的なアップグレードの選択肢となる可能性がある。

  •  Windows Server end-of-support (EOS): Upgrade seamlessly with Azure Migrate (Public preview) - Microsoft Community Hub

    Windows Server end-of-support (EOS): Upgrade seamlessly with Azure Migrate (Public preview) - Microsoft Community Hub

Microsoftは2023年10月10日に、次のWindows Serverのサポート終了を予定している。

  • Windows Server 2012
  • Windows Server 2012 R2

Windows Serverは企業で使われることの多いプロダクトであり、一度稼働を始めると、より新しいバージョンへのアップグレードには困難がつきまとうことが多い。しかしサポートの終了が迫っており、管理者には現実的なスケジュールでマイグレーションを行わなければならない状態にある。

ただし、すでにMicrosoft AzureでWindows Serverを運用しているのであれば、アップグレード作業は想定以上に簡単になる可能性がある。「Azure Migrate」はそうしたアップグレードを実施する機能であり、オリジナルのサーバは残したままアップデートが可能とされている。本稿執筆時点で、サポートされているアップグレードパスは次のとおり。

対象OSバージョン サポートされているアップグレード先OSバージョン
Windows Server 2012 Windows Server 2016
Windows Server 2012 R2 Windows Server 2016、Windows Server 2019
Windows Server 2016 Windows Server 2019、Windows Server 2022
Windows Server 2019 Windows Server 2022

作業は、まずAzureにおいてサーバのコピーが作成され、コピーに対してOSアップグレードセットアップディスクを接続し、アップグレードが実施される。最終的にアップグレード済みサーバが稼働を開始するという仕組みになっている。問題が発生した場合は、元のサーバを稼働させればよく、リスクが低い。Windows Serverのアップグレードパスとして有力な候補の一つになる可能性があるとみられる。