日立ハイテクの台湾法人「日立先端科技」が台湾北部の新竹県竹北市に建設していた「半導体先端技術開発センター」の開所式典を6月30日に開催。来賓として蔡英文総統をはじめとする複数の要人が参加し、執り行われた。

  • 「半導体先端技術開発センター」の開所式
  • 「半導体先端技術開発センター」の開所式
  • 日立ハイテクの台湾法人「日立先端科技」の「半導体先端技術開発センター」の開所式の様子。中央の女性が台湾総統の蔡英文氏

蔡英文総統は、式典でのあいさつの中で、「日立ハイテクは台湾で半世紀以上にわたって事業を展開し、台湾の半導体産業の発展において不可欠な役割を担ってきた」と同社を紹介。28nmプロセスから始まり、さらには2nm以下のプロセス装置の開発を進めようとしているとし、「台湾の産業発展に重要なエネルギーを注入し続けている」とその貢献をたたえた。

さらに、「世界一流の外資系企業による台湾への投資が増加している」と指摘し、そうした企業の台湾への投資の活発化は、国際的な信頼の表れであると述べた。

また、「我々の目標は台湾全体を『半導体先進製造センター』にすることである。日立ハイテクの台湾技術開発センターがもたらす研究開発エネルギーと台湾への技術移転がこの目標達成に向けた大きな後押しとなり、今後さらなる協力を通じて実りある成果を期待している」と、台湾そのものを先端半導体の一大集積地となるべく、政府をあげて取り組んでいくことを強調した。

なお、日立ハイテクでは、開設された半導体先端技術開発センターについて、最新の製造装置や計測分析装置を設置し、台湾の大手半導体メーカーと組んで技術開発を進める「協創拠点」となることを目指しており、微細化や積層化など半導体の技術革新に取り組み、大手半導体メーカーの潜在ニーズを迅速にくみ取れる体制をつくりあげることで、半導体製造装置の受注につなげたいとしている。