JR東日本は6月6日、局地的大雨の状態を詳細に把握して運転規制を行うため、従来の運転規制に追加して、レーダ雨量を活用した新たな運転規制(以下「レーダ雨量規制」)を在来線全線区に導入すると発表した。
近年は大雨および短時間強雨の頻度が増加しており、局地的な大雨の影響による交通網の混乱がたびたび生じている。JR東日本ではこれまで、降雨による災害から列車の安全を守るため、沿線斜面などの防災対策や降雨時の列車抑止・徐行運転などの運転規制を行ってきた。
その中でも運転規制について、従来は、JR東日本が駅などに設置した雨量計で雨量値を計測し、その値が規制基準を超過した場合に、雨量計の受け持つ区間に対して運転規制を発令していたという。
しかし今回、気象庁や国土交通省が配信する1kmメッシュの面的レーダ雨量を、運転規制発令の判断材料として追加。これにより、雨量計が設置されていない箇所の降雨についても把握することが可能になるとする。なお規制発令の基準については、線路沿線上の1kmメッシュのレーダ雨量が規制基準値を超過した場合に、そのメッシュが含まれる区間に対して運転規制を発令するとしている。
またレーダ雨量規制の追加導入にあたり、オペレーションの適切な実行に向けて、既存の運転規制に関わるシステムの改修を実施したとする。この改修によって、従来の運転規制情報に加え、レーダ雨量規制情報をシステム上で統合して列車に伝えることで、速やかな運転規制を実現するとしている。
なおJR東日本によると、新たな運転規制システムは2023年6月18日から使用される予定とのことだ。