宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月31日、H-IIAロケット47号機によるX線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打ち上げ時期について、予定していた2023年度初めの打ち上げから、2023年8月以降で再調整を進める計画であることを明らかにした。
SLIMは月・太陽・地球の位置関係により月へ向かう軌道に投入できる期間が限られるとともに、月へ向かう関係から通常より多い推進薬の充填に係る打ち上げ準備作業を3月中にも開始する計画であったが、H3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗の原因が、H-IIAロケットにも潜んでいる可能性があることから、3月中にH-IIAロケット47号機の打ち上げ準備作業を開始することが難しく、JAXAではH-IIAロケットへの技術的に詳細な影響評価を行った上で次の打ち上げに臨む必要があると判断。その結果として、XRISMおよびSLIMの打ち上げ時期については、月軌道投入可能期間となる2023年8月以降で調整を行う方向で検討を進めているとしている。
なおJAXAでは、引き続きH3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗の原因究明活動を進めるとともに、H-IIAロケットについては打ち上げ計画が整い次第、改めて発表する予定としている。