シリコンフォトニクスに量子ドットレーザーを集積

Tower Semiconductorは、レーザ統合型シリコンフォトニクスベンチャーの米Quintessentと共同でGaAs量子ドットレーザを組み込んだSOIを用いた異種材料集積技術「ファウンドリシリコンフォトニクスプラットフォーム(PH18DB)」を発表した。

同プラットフォームは、データセンターおよびテレコムネットワークにおける光トランシーバモジュール、ならびに人工知能(AI)、機械学習、LiDAR、その他センサにおける新しいアプリケーションを対象としており、低損失導波路、光検出器および変調器が搭載された量産ベースのシリコンフォトニクスファウンドリ技術をもとに、新たにGaAsベースの量子ドットレーザおよび半導体光増幅器(SOA)を包含するものだという。

この集積化により、小さなフォームファクタでより多くのチャネル数をサポートできる高密度光集積回路(PIC)全体の設計が簡素化されると同社では説明している。

Tower SemiconductorとTeramount が多数の光ファイバをシリコンチップに接続する技術を発表

このほか、同社はイスラエルの光ファイバー接続技術専業のTeramountと協業して、Towerのシリコンフォトニック「Bump-ready」ウェハとTeramountの「PhotonicPlug」技術をベースに多数の光ファイバーをシリコンチップに接続できるようにしたコラボレーションも発表した。

Towerで量産中のシリコンフォトニクス技術と、Teramountの多数のファイバーをチップに同時に接続できる機能を組み合わせたもので、データセンターやテレコムネットワーク、さらには人工知能(AI)やセンサなどの新規アプリケーションにおいて、最終的な高速データ転送ソリューションのためのアセンブリを簡素化することができるようになるという。また、同技術により、スケーラブルなシリコンフォトニクスパッケージング、高歩留りのファイバーアセンブリ、および大量生産を行う半導体製造ラインとの互換性が実現されるともしている。

今後、TowerとTeramountは、トランシーバから高帯域幅スイッチ、ネットワーキングおよび高度なコンピューティングアプリケーションに対応したCo-Packaged Optics(CPO)まで、シリコンフォトニクスソリューションが必要な顧客に対してこの機能を提供するとしている。

TeramountのCEOであるHasham Taha氏は「Towerとの共同研究は、この革新的でスケーラブルな接続技術を生産設備で実現することに貢献してきた。この能力を産業界に提供することで、Teramountは、高速データ転送を必要とする多くのアプリケーションに極めて重要な光接続を広範囲に用いるための、主要なハードルの1つを解決できる」と述べている。

一方のTowerのRF&HPA技術開発ダイレクターであるEd Preisler氏は「Teramountと協力することで、顧客に差別化された光学ソリューションを可能にするもう1つのツールを提供することができる。この機能は、Towerの量産用PH18プラットフォームと独自の異種材料(III-V)集積技術を含むフォトニクス技術の包括的なポートフォリオを強化するものである」と述べている。