半導体市場調査・分析会社のSemiconductor Intelligence(SI)が、2022年第4四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15社を発表した。
それによると、ランキング上のトップはSamsung Electronicsだが、その上にTSMCが入るという。ただし、TSMCはファウンドリであり、その売上高は製造委託元の半導体企業の売上高に含まれるため、ランキングには含んでいないという。
また、上位15社の同四半期売上高合計は前四半期比14%減となり、中でもメモリ価格の下落の影響で、メモリ大手4社(Samsung、SK Hynix、Micron Technology、キオクシア)だけで見ると、平均成長率は同25%減と全体と比べても大きな落ち込みとなっており、これら4社を除く非メモリ企業の平均成長率は同9%減となっている。トップ15社のうち、NVIDIA、AMD、STMicroelectronics、Analog Devicesの4社のみ前四半期比でプラス成長を達成しているほか、日本勢としてはキオクシアが同26%減となっているものの、唯一ランクインを果たしている。
2023年は第1四半期も通年もマイナス成長の可能性
SIでは、2023年第1四半期も半導体企業各社の見通しはおおむね暗いものとなっていると指摘している。一般的に、同四半期は閑散期のため低迷する時期でもあるが、同期のガイダンスを出しているメモリ以外の9社いずれもがマイナス成長を予測している。
とはいえ半導体の適用アプリケーションすべてが低迷しているわけではなく、自動車や産業機器などは引き続き堅調な需要となっており、トップ15社中5社が、これらのセグメントの片方もしくは両方で強い需要があるとしている。
また、通年の半導体市場の動向は前年比でマイナス成長となることが予想されるが、どのくらいなのかについては、在庫の回復時期や電子機器の全体的な需要に左右されるとSIでは指摘している。
同社以外の市場調査会社・機関のGartner、IC Insights、WSTS、EYなどは、2023年通年の成長率をマイナス4~5%と予想しているが、これは2023年第2四半期からの回復が始まれば、といった前提条件がある予測であり、例えばGartnerでは2022年末の予測でメモリ市場の回復が遅れる可能性があるとして、2022年11月の予測値(同3.6%減)から同6.5%減へと下方修正しているほか、2022年の市場予測値がもっとも実績に近かったObjective Analysisでは同19%減と予測している。
なお、2023年の半導体市場についてSIでは、同12%減との予測を出している。これは、2023年第2四半期より緩やかな回復が始まり、2023年後半に改善することを前提としたもので、在庫調整は、第2四半期までにほぼ解決されるはずとの見方を示している。PCとスマートフォンの出荷台数も停滞はするものの、そのマイナス成長率は前年比で縮小されることが期待され、継続して好調な自動車やIoT分野が半導体市場の回復に貢献するものと見ている。
また、2024年については、最終市場の緩やかな成長により、半導体市場が回復。同5~10%増の成長率となるものとの考えを示している。