2023年2月12日(米国時間)、米国テネシー州ナッシュビルを舞台に、Dassault Systems(ダッソー・システムズ)主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2023」が開幕した。
3年ぶりの実地開催にユーザーが熱狂
同イベントは、ダッソー・システムズの機械設計用3D CADソフトウェア「SOLIDWORKS」や、3Dデータ管理やさまざまなソフトウェアとの統合をサポートするプラットフォーム「3DEXPERIENCE」などのユーザーや販売代理店、パートナー、社員などが一堂に会する年次イベント。2020年2月の実地開催を最後に、コロナ禍の影響でここ2年はオンラインでの開催となっていたが、今回は3年振りの実地開催となる。
今年の開催期間は2月12日から2月15日まで。会場は2020年と同じく、テネシー州ナッシュビルの「Music City Center」。カントリーミュージックの聖地として知られる同地域を象徴するコンベンションセンターで、総面積は約11万m2だ。
General Sessionには事業責任者やCEOなどが登壇
イベント開幕に際して行われた基調講演では、3DEXPERIENCE Worksの責任者(SVP)を務めるジャン・パオロ・バッシ氏、ダッソー・システムズCEOのベルナール・シャーレス氏などが登壇した。
コロナ禍と環境性能への要求向上による社会変化を語るバッシ氏
バッシ氏は3DEXPERIENCEを取り巻く社会の変化について、数年にわたるコロナ禍と、環境性能に対する要求の高まりを挙げる。
コロナ禍は、サプライチェーンにおける多くのクライアントに対してマイナス影響をもたらしたという。また、熟練労働者の不足や原材料の高騰などにより、製造業におけるさまざまな課題が噴出した。「解決のためにはテクノロジーによる総合的なソリューションが不可欠」とするバッシ氏は、3Dの世界にAIやマシンラーニングを適用することで新たな価値が得られるとし、それらを可能にするために「データが非常に重要だ」と語る。
また、カーボンニュートラルやネットゼロへの要求が高まる中、バッシ氏は、バーチャルツインの活用によって環境に配慮した設計戦略を実現することができるとする。加えて、これらの要求を達成し循環型経済を実現するためには、すべての消費者が"利用者"へと転換し、各人が環境負荷を低減させる新たなモデルの構築を目指す必要があるとする。