中国の半導体・ディスプレイ市場調査会社であるCINNO Researchによると、中国市場における乗用車向けダッシュボードで用いられるディスプレイパネルの平均サイズは、2019年から2021年にかけて拡大傾向にあり、2022年には9型を突破、2024年には10型近くまで拡大すると予測されるという。

自動車のダッシュボードは、その動作原理によって、機械式、電子式(主に液晶ディスプレイ)、および補助ディスプレイの3つのカテゴリに分類できる。その中で、FPDを用いた電子式は主に中高級車や新エネルギー乗用車(NEV)に採用されている。

CINNOの中国市場における乗用車販売の月次モニタリングデータによると、 中国市場の乗用車の電子式ダッシュボード搭載率は、2020年が79%、2021年は82%で、平均サイズは2020年が8.3型と8.7型であったという。

  • 中国市場における電子式ダッシュボードの平均サイズの変遷と今後の予測

    中国市場における電子式ダッシュボードの平均サイズの変遷と今後の予測 (出所:CINNO Research)

最近の2022年第3四半期の調査では、電子式のダッシュボードサイズは10型以上のものが50%を占めるなど、拡大基調にある。中でも中国市場におけるNEV電子式ダッシュボードの平均サイズは9.4型となっており、前年比で0.4型ほど大きくなったという。これは主にBYDのSong DMやHan DMといったNEVの販売が拡大したためだという。

  • BYD Hanの電子式ダッシュボードのイメージ

    BYD Hanの電子式ダッシュボードのイメージ (出所:BYD)

従来の機械式ダッシュボードと比べて、電子式ダッシュボードには、優れた安定性、豊富な情報表示、多様なスタイル、ハイエンド技術などの利点があるため、多くの車種で電子式ダッシュボードが採用されてきており、その搭載パネルサイズも拡大傾向にある。また、HUDと統合されたスマートコックピットも活用されるようになってきており、電子式ダッシュボードの採用はスマートカーの開発において避けられない傾向になっているとCINNOでは分析している。

なお、CINNOの予測では、中国市場の乗用車に採用される電子式ダッシュボードの平均サイズは2022年に9型を突破した後、2023年に9.6型、2024年に10型へと徐々に拡大していくとされている。