ホンダは12月1日、同社の安全運転支援システム「Honda SENSING」の進化型となる全方位版「Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)」と、Honda SENSINGのフラッグシップである「Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)」に搭載予定の次世代機能を公開した。
Honda SENSINGはホンダが2014年に発表した安全運転支援システムで、現在は日米で99%、グローバルでも86%の新車に搭載されており、その累計販売台数は2022年9月時点で1400万台に上る。
その高機能型として、2020年に、自動運転レベル3に求められる国土交通省の型式指定を取得したのがHonda SENSING Eliteだ。ドライバーがステアリングから手を離したハンズオフ状態でも(さらにアクセルやブレーキから足を離した状態でも)、高速道路などの自動車専用道路においてなら、システムが車線内運転を行ってくれるという技術だ。自動運転なので、ドライバーは手を離してスマホを操作するなどのサブタスクを行っても問題ない(レベル2でもハンズオフ運転は可能だが、自動運転ではなくあくまでも運転支援なので、サブタスクを行ってはならない)。2021年3月には、世界初の自動運転レベル3を実現した市販車として、同機能が搭載された同社の最高級車「レジェンド」の最新モデルがリース専用車両ではあるが発売された(2022年1月に販売終了)。
そして、Honda SENSING Eliteで培われた知見を活かして、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷軽減をサポートする全方位型の安全運転支援システムとして、中国から展開を開始したのがHonda SENSING 360である(日本国内では、まだ同機能の搭載車種は市販されていない)。