日本メナード化粧品(メナード)、ファスマック、藤田医科大学の3者は10月28日、ニキビ内部の菌の構成を遺伝子レベルで解析した結果、個々人で菌の構成が異なり、多様な菌が生息していることが確認され、そのことからニキビには多様な菌が関与しており、菌全体のバランスを見た治療やスキンケアが重要であることが考えられると発表した。

同成果は、メナードの赤座誠文氏、同・三浦史帆里氏、同・八代洋一氏、ファスマックの高崎一人氏、同・西山依里、同・臼井敦子氏、藤田医科大 医学部総合アレルギー科の横井彩講師(研究当時)、同・二村恭子講師、同・鈴木加余子准教授、同・矢上晶子教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、皮膚疾患と化粧品・コスメに関する全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology」に掲載された。

一般に、ニキビの原因はアクネ菌というイメージが強いが、メナードではこれまでの研究から、アクネ菌以外にもマラセチアなどの皮膚常在菌がニキビに関与していることを解明してきたという。そうした事実から、ニキビには、より多くの菌が複雑に関与していることが予測されているが、その全体像についてはまだ不明な点が多く残されているという。

そこで今回の研究では、ニキビ患者22名(女性12名、男性10名)を対象とし、次世代シーケンサーを用いて皮膚表面(ひたい、ほほ)とニキビ内容物(Tゾーン:ひたいや鼻など皮脂分泌が多い部位、Uゾーン:ほほやあごなど皮脂分泌が少なく乾燥しやすい部位)の細菌、真菌などを含む、ある特定の環境に生息する微生物の集まりである菌叢の解析を行うことで、そこに生息する菌の種類と構成比の解析を実施することにしたという。

皮膚表面サンプルは綿棒を用いて皮膚表面を擦る拭き取り法、ニキビ内容物サンプルは面皰圧出器を用いて内容物を押し出す圧出法によって採取された。そして細菌、真菌それぞれの菌叢解析が行われた。