ハリス米副大統領は9月28日、日本の半導体関連企業の幹部らと面談を行い、「強靱な半導体サプライチェーンの構築に向けて米国が直面しているいくつもの課題に取り組むうえで、日本が極めて重要な役割を担っている」と述べ、日本の半導体関連企業の米国への投資を呼びかけたという。

米国商務省のレモンド長官は、かねがね「CHIPS法が成立したら、もっとたくさんの半導体企業を米国に誘致できる」と述べており、CHIPS法の成立を受け、いよいよ本格的な海外企業の米国誘致が進められそうな気配がでてきた。

ハリス米副大統領と日本の半導体関連企業幹部の会合の様子

ホワイトハウスの発表によれば、ハリス副大統領は、8月に成立したChips and Science Act of 2022(通称CHIPS法。米国内の半導体製造や研究強化のために527億ドルの補助金を支給する法律)について日本の半導体関連企業の幹部らに説明したうえで、「増加し続けている米国の半導体製造への投資、半導体サプライチェーンの強化、半導体の研究開発における協力の強化」について彼らと話し合ったほか、「日本企業による米国半導体産業への最近および将来の投資、および研究開発における日米協力の促進についてより回復力のあるサプライチェーンを確保し、サプライチェーンの脆弱性を最小限に抑えるための継続的な協力」についても話し合ったという。

なお、情報筋によると、会合に招かれた半導体関連企業は、東京エレクトロン、ニコン、日立ハイテク、アドバンテスト、レーザーテックなどの半導体製造装置メーカーのほか、信越化学工業や昭和電工、東洋合成などといった半導体素材メーカー、そして富士通、サンケン電気、マイクロンテクノロジーといった半導体企業だという。