Armの日本法人であるアームは7月8日、Arm本社のChris Bergey氏によるラウンドテーブルを開催し、同社のインフラ事業の現状の説明を行った。それほど新しい話題があった訳では無いが、現状のArmのNeoverseに関する状況の説明が行われたので、これをまとめてご紹介したいと思う。
同氏の職分は、肩書の通りInfrastructure Businessである。要するにサーバーやNetwork向け全般に跨る(Photo02)。
さまざまなシリコンパートナーがNeoverseシリーズを採用
特にNeoverseシリーズの発表後、さまざまなシリコンパートナーが相次いでこれを採用した事で、この流れは急加速した感がある(Photo03)。
実際Ampere(旧AMCC)やMarvell(旧Cavium)は、いずれも自社で開発したコア(AmpereならX-Gene系列、Marvellなら旧BroadcomのVulkan)を捨ててNeoverseに鞍替えした訳で、その意味でもNeoverse系列はすでに大きな成功を収めつつあるとして良いかと思う。
この結果として、多くのパートナーがNeoverseをベースとしたエコシステムの構築をスタートしているとし(Photo04)、例えばクラウドに関して言えばAmazon AWSを利用するTop 50のカスタマのうち48が、Armベースのインスタンス(というかGraviton2のインスタンス)を利用しているとする(Photo05)。
またNeoverse N1ベースの「Ampere Altra」は、すでに多くのCloudで採用されている(Photo06)。
もし仮にAmpereがX-Geneベースのコアの利用に拘っていたら、ここまで広範に採用されたのか? というのは疑わしい。これに関してはAmpereの立ち上げを行ったRenee J. James(元Intel COO)の判断が正しかったというべきなのだと思う。MicrosoftはAmpere AltraベースでAzureのインスタンスを構築しており、Ampereが今後も広く使われるかどうかはともかく、Armベースのインスタンスが今後クラウドサービスで増えてゆく事は間違いないだろう。