IC Insightsによると、2022年のマイクロプロセッサ(MPU)市場は、世界的な各種の経済問題にもかかわらず、平均販売価格(ASP)の上昇により、前年比で12%近く増加し、過去最高の1,148億ドルを記録することが見込まれるという。MPU市場は、コロナ禍の半導体特需もあり2020年に同16%増、2021年も同13%増とプラス成長が続いている。

また、出荷量に関しても、2020年に同5%増、2021年に同6%増と増加傾向が続いており、2022年も同3%増とプラス成長が見込まれているほか、ASPについても、2020年に同10%上昇、2021年も同7%上昇となっているが、2022年も同8%上昇と、底上げが続くとしている。

MPU製品サプライヤの売上高トップ5を見ると、2021年の順位はIntel、Apple、Qualcomm、AMD、MediaTekとなっており、これは2020年から変化はない。また、上位5社のMPU売上高合計額は同15%増の883億ドルとなるという。

同社のこのMPUランキングは、コンピュータ向けCPU、組み込み向けMPU、および携帯電話用アプリケーションプロセッサの売り上げに基づいているが、AI/機械学習アクセラレータやスタンドアロングラフィックス処理ユニット(GPU)などのコプロセッサは除外されている。CPUコアが統合されたアプリケーション固有のSoCの多くも、ランキングには含まれていない。

  • 2021年のMPUサプライヤ売上高ランキング

    2021年のMPUサプライヤ売上高ランキング。AppleのMPUは自社設計でファウンドリに製造委託したものだが外販はしないカスタム製品、他の4社は外販 (出所:IC Insights)

2021年のMPU市場全体の規模は1027億ドルで、上位5社の合計シェアは86.0%となる。2020年は85.0%、2016年では82.1%であったので、寡占化が徐々にであるが進んでいることになる。また、6位~10位に関しては、NVIDIA、Samsung、UNISOC、HiSilicon、NXPとしており、この5社の2021年の合計売上高は44億ドル、市場シェア4.3%としている。

なお、過去10年間を振り返ると、上位5社の売上高合計市場シェアは増加傾向にあるが、長年のMPU市場のリーダーであるIntelと、残りの4社との収益のギャップは縮小し続けているという。ただし、Intelの競合であるAMDも過去5年の間に、PCとサーバ向けCPUで大きく躍進して業績を伸ばしてきているものの、絶対額ではまだまだIntelに大差がついた状態となっている。