宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一宇宙飛行士は5月25日、都内で会見を開き、6月1日付でJAXAを退職し、今後は民間人の立場から宇宙を盛り上げていく予定であることを発表した。

野口宇宙飛行士は1996年にJAXAの前身の1つである宇宙開発事業団の宇宙飛行士候補生に選定。その後、スペースシャトル「コロンビア号」の事故後、初の打ち上げとなるスペースシャトルに搭乗したほか、日本人として初めてソユーズ宇宙船に船長補佐として登場。直近では、スペースXのクルードラゴンの運用初号機に搭乗するなど、JAXAの切り込み隊長として、その任をまっとうしてきた。

野口宇宙飛行士は、会見の席にて、「26年間、いろいろな形で応援してもらってありがとうございました。あっという間の26年だったと思います。皆様からの応援もありまして、無事に3回の宇宙飛行から帰ってくることができました」と多くの人に支えられて、ここまでこれたことを強調。「3回目の宇宙飛行を終えた直後くらいから、後輩、これから選抜される新人に対し、道を譲りたいと思い、退職を決めた」と退職を決意した背景を説明した。

JAXAを退職した6月以降については、まだ詳細は語られなかったが、1人の民間人として、JAXAをはじめとする研究機関なども含め、連携して宇宙を盛り上げていくことを目指すとしており、未来を作る次世代人材育成など、幅広い活動を行っていくとする。

なお、政府間では米国が主導する有人月探査に軸足が移りつつあり、国際宇宙ステーション(ISS)が飛行する地球低軌道は民間での活用が進んでいくことから、JAXAの宇宙飛行士としてではなく、そうした地球低軌道に向かう民間宇宙飛行士や宇宙旅行者などの水先案内人と宇宙に再びあがる気持ちがあるともしている。

  • JAXAの職員として最後の会見にのぞんだ野口宇宙飛行士

    JAXAの職員として最後の会見にのぞんだ野口宇宙飛行士 (提供:林公代)