ベルギーの独立系先端半導体研究機関imecは、「Sustainable Semiconductor Technologies and Systems(SSTS、持続可能な半導体技術およびシステム)研究プログラム」に、新たにAppleやMicrosoftなどの大規模システム企業から、ASM、ASML、東京エレクトロン(TEL)、SCREEN、栗田工業などの装置・設備サプライヤまで、半導体バリューチェーンの多くの関係者が加入したことを発表した。

同プログラムは、半導体業界の二酸化炭素排出量削減を支援し、持続可能な半導体製造の実現に向けたimecの取り組みの一環として2021年に設立されたもので、「これらの新しいパートナーの追加により、imecの専門知識と知識を活用して業界の環境への影響を削減するアプローチが可能になる」とimecは述べている。

半導体を製造するためには、大量のエネルギーと水を必要とし、かつ有害廃棄物を生み出す。この問題に取り組むには、サプライチェーン全体がコミットする必要があり、エコシステムのアプローチが鍵となるとされている。システムおよびファブレス企業はすでにサプライチェーンと製品の脱炭素化に投資しており、2030年または2040年までにカーボンニュートラルになることを約束しているが、利用可能なライフサイクル分析データが限られているため、現在、将来のテクノロジーにおけるチップ製造の貢献について正確な洞察が不足している状況となっている。

なお、imecは、SSTSプログラムを通して、半導体バリューチェーン全体が力を合わせて、半導体業界の環境フットプリントを削減するよう呼びかけている。imecは新技術、プロセス、材料の環境への影響を評価し、影響の大きい問題を特定し、より環境に配慮した半導体製造ソリューションを見出し、パートナー企業に情報提供するという。Appleは、2021年に同プログラムでimecと手を組んだ最初のパブリックパートナーの1社だが、その後、Microsoftや装置・設備メーカーなどが次々と加わっている模様である。