太陽系の惑星以外の天体も大きさを比較してみました!

太陽系の惑星は、どれもさまざまな特徴を持つ星ばかり。ですが宇宙に存在しているのは、惑星だけではありません。惑星に似た性質の準惑星や、惑星の周りを公転する衛星、自ら光を放つ恒星など、天体の種類はさまざま。 そこでここからは、惑星以外の天体も大きさを比べてみましょう! 

大きさランキング(番外編含む)

  • 最大の星はサイズも規格外です……!

    最大の星はサイズも規格外です……!

かつては太陽系の惑星だった「準惑星」・冥王星

  • 冥王星

    冥王星(C) NASA

冥王星は、かつて太陽系の惑星の1つとして数えられていましたが、2006年に惑星から外され、準惑星と定義されました。その大きさは約2376kmで地球の5分の1以下しかなく、太陽系の惑星で最も小さい水星と比べても半分以下の小さな天体です。

冥王星が惑星から外れる大きなきっかけとなったのが、冥王星と近い軌道を公転する天体「エリス」の発見。エリスは直径が約2326kmと冥王星とほぼ同じ大きさで、冥王星に匹敵する天体が発見されたことで議論が勃発し、2006年に「準惑星」という分類が新たに定義され、冥王星やエリスなどが加わりました。

宇宙で唯一人類が降り立った天体・月

  • 月

次にご紹介するのは地球の周りを公転する衛星、月。皆さんにとっても、身近に感じる天体なのではないでしょうか。そんな月の直径は約3475kmで、地球の4分の1ほど。月面上の重力は地球の約6分の1で、平均温度はマイナス20℃と地球よりも低くなっています。

月といえば、地球以外で人類が唯一降り立ったことのある天体。地球から月までの距離は約38万kmで、宇宙船では3日ほどで月の近くまで到達できるようです。6日間かけて宇宙を旅する「月周回旅行」もすでに計画が進んでいて、月まで気軽に訪れることができるようになる日も、そう遠くないのかもしれません……! 

はるか遠くまで光と熱を届ける恒星・太陽

  • 太陽

    太陽(C) NASA

月と並んで最も身近に感じる天体、太陽についても見ていきましょう。太陽ももちろん1つの天体で、惑星とは異なり自らのエネルギーで光を放つ恒星です。太陽の直径は約139万2700kmで、なんと地球の約109倍! 太陽系の惑星すべてに重力の影響を与えている、まさに太陽系の中心です。

地球から太陽までの距離はおよそ1億4960万kmと、ジェット旅客機でも20年近くかかるほどはるか遠くに存在している太陽ですが、私たち人間が暖かさを感じるほどの光を地球に届けています。そんな太陽の表面温度は、約6000℃。炭素や鉄などの物質も期待になるほどの高温で、いつも輝きを放っています。

太陽も比にならない⁉ 宇宙最大の恒星・スティーブンソン2-18

  • 宇宙最大の恒星とは……?

    宇宙最大の恒星とは……?

ここまで見てきた中でも、そのスケールの大きさが感じられた宇宙。ではそんな宇宙でも1番大きい星はどれほどのサイズなのか、気になりませんか……? 

現在宇宙で最も大きい星とされているのは、「スティーブンソン 2-18」という恒星。「赤色超巨星」という分類の天体で、なんとその大きさは太陽の約2150倍にものぼるとされています。もしこの星が太陽の位置にあったら、地球はおろか土星までも飲み込んでしまうほどの大きさなのだそう……! 

ただし、地球から遠く離れた赤色超巨星の大きさを求めるのは難易度が高いため、これはあくまで推定値。今後スティーブンソン 2-18を超える大きさの星は見つかるのでしょうか……? 

すべての物質を飲み込む謎に包まれた天体・ブラックホール

  • いまだ謎に包まれるブラックホール(イメージ)

    いまだ謎に包まれるブラックホール(イメージ)

最後は宇宙の中でも特に謎が多い不思議な天体、ブラックホールの大きさ。ブラックホールとは、重力が大きすぎてすべての物質はもちろん光でさえも吸収してしまう天体のことです。その発生源やメカニズムについては解明されていないことが多く、もちろん大きさについても詳しくはわかっていません。

そのためここでは、史上初めて撮影されたブラックホールである「M87」銀河のブラックホールについて解説します。ブラックホール自体は光を吸収するため見ることはできませんが、ブラックホールが吸収する範囲のすぐ外側にある光を観測した画像が、2019年に撮影されました。そのブラックホールの直径は約1000億km以上と推測され、太陽系すらもすっぽりと収まる大きさとみられています。

しかし、太陽系が11個ほど収まる大きさのブラックホールがあるともいわれていて、詳細についてはまだまだほんの少ししか分かっていません。現時点では、とにかく大きな存在だ、ということしかお伝えできませんでした……。

宇宙に浮かぶ惑星は個性豊かで大きさもさまざま。

  • まだまだ宇宙はわからないことばかり。

    まだまだ宇宙はわからないことばかり。(C) NASA

今回は、太陽系の惑星をはじめさまざまな天体について、その大きさや特徴をまとめました。太陽を中心に公転する8つの惑星は大きさがばらばらで、それぞれ個性的な特徴を持っているのがおわかりいただけたかもしれません。

ここまで太陽系の惑星をはじめとしたさまざまな天体の大きさについてご紹介しましたが、これらも宇宙の中ではほんの一部。今回取り上げた以外の惑星も、そしていまだに発見されていない未知の範囲まで、宇宙には計り知れない数の天体が存在しています。そのすべてを解き明かす時が来るまで、きっと人々の興味が尽きることはないでしょう。