東北大学は4月21日、不揮発性磁気メモリ(MRAM)の高密度化に必要不可欠な垂直磁化強磁性体に対して、外部磁場を必要とせず、かつ低消費電力で磁化反転可能とする新手法を確立したと発表した。

同成果は、東北大大学院 工学研究科・高等研究機構 新領域創成部の好田誠教授、同・新田淳作名誉教授、韓国科学技術院のJeonchun Ryu研究員(現・Samsung Advanced Institute of Technology)、同・Byong-Guk Park教授、同・Kyung-Jin Lee教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌「Nature」系のエレクトロニクスの基礎から応用まで全般を扱う学術誌「Nature Electronics」に掲載された。

高密度記録が期待できる垂直磁化強磁性体/非磁性体構造において、これまでスピン流を生み出す起源としてスピンホール効果が用いられてきた。しかし生成されるスピン流の向きが一方向に限られるため原理的に磁化反転ができず、外部磁場を印加しなければならないという課題があったほか、強磁性体を含む多層構造では、特定の方向だけでなく、さまざまな方向にスピン流が生成されることがわかっていたが、そのすべてを利用した磁化反転は実現されていなかったという。

また、MRAMで低消費電力化を実現するためには、低電流密度での磁化スイッチングが不可欠だが、従来のスピンホール効果を用いた方法では、現在実用化されているスピン移行トルクによるMRAMに比べて、電流密度が1桁以上大きくなってしまうという課題があり、MRAMのさらなる普及のためには低電流密度による無磁場磁化スイッチングを可能にする新たな手法が求められていたという。