中国の大手スマートフォン(スマホ)および通信機器メーカーであるHuaweiは、中国のNANDメーカーYMTC(長江存儲科技)からNANDをウェハ状態で購入し、パッケージングと最終テストを独自に行うことを目的に、製造装置を購入し、早ければ2022年下半期から実際に稼働させる可能性があると韓国の電子産業メディアTHEELEC英語版などが報じている。

Huaweiは現在、YMTCから半導体パッケージに実装された状態のNANDフラッシュメモリを調達しているが、それとは別にウェハ状態で購入し、自社で実装しようという動きは、Huawei子会社が設計した他のチップを含め、チップレットとして1パッケージ上に搭載し、いわゆる3D IC化するためではないかとみられている。Huaweiのこうした動きは、中国政府が半導体自給自足に向けた独自のサプライチェーンを強化しようとしていることを受けたものである可能性があると業界関係者は見ている。

  • YMTCの128層3D NANDフラッシュメモリ

    YMTCの128層3D NANDフラッシュメモリ (出所:YMTC)

YMTCは清華紫光集団の子会社であったが、清華紫光集団が債務不履行を起こし倒産寸前となったことを受け、現在は湖北省科技投資集団を新たな受け皿とし、操業を継続しているという。YMTCのNAND市場シェアは2020年は1%であったが、2021年第3四半期には2.5%まで伸ばしてきたという。現在、同社はXtackingという周辺回路チップをメモリアレイの上に張り合わせる独自方式を用いて128層の3D NANDフラッシュメモリを製造。積層数で一気に先行グループに追いつこうとしている。

一方のHuaweiは、米国商務省のエンティティリストに記載されたことを機に、一部の先端半導体の入手が規制されることとなり、スマホの売り上げが急減。対抗して、自前のロジック半導体工場を中国本土に建設する準備をしているとも噂されているほか、日本の半導体業界関係者の話によると、Huawei Japanの横浜研究所では、日本の半導体メーカーや製造装置メーカー、材料メーカーなどから技術者をリクルートすることで、装置や材料の調達交渉や新規技術開発を進めているという。