中国の3D NANDフラッシュメモリ専業メーカーYMTCが、SSD向け128層3D NANDフラッシュメモリ製品の量産を開始した模様だと中国・台湾・韓国の複数メディアが伝えている。
それらの報道によると、YMTCは2020年4月に128層NAND技術を開発していたが、(1)工場のある武漢における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による都市封鎖、(2)メモリアレイと周辺回路を張り合わせる同社独自のXtacking実装の歩留りが向上しなかったこと、(3)親会社の清華紫光集団の経営問題(2021年に入り事実上倒産)、といったさまざまな問題により量産化が順調には進んでいなかったという。
量産化には至ったものの、歩留まりは向上しておらず、また製造の安定性もかなり低いままで、値段も高いために中国内の需要も限定的であることから、当面、業界に及ぼす影響は限定的だろうと業界関係者は見ている。そのため、先行して128層製品の製造を行っているSamsung Electronics(2019年8月より)、SK Hynix(2020年第2四半期)ならびに112層製品の製造を行っているキオクシアなどは、YMTCが歩留まりを向上させるのに必要と見られる1~2年の間に、さらなる高層NANDを開発することで、競争力を維持するものとみられる。