日本半導体製造装置協会(SEAJ)は1月13日、2021年度~2023年度の半導体製造装置における日本製装置ならびに日本市場の販売高予測の2022年1月版を発表した。

日本製半導体製造装置市場の動向

2021年度(2021年4月~2022年3月)の日本製半導体製造装置販売高(海外拠点も含んだ日系企業の国内および海外販売額の合計)は、新型コロナによるサプライチェーンの混乱や半導体を含む部品調達難の影響が懸念されるものの、ロジック・ファウンドリ、メモリともに投資意欲が旺盛なことから、前年度比40.8%増の3兆3567億円と予測。2022年度も、ファウンドリを中心にさらなる設備投資が期待されることから、同5.8%増の3兆5500億円、2023年度も同4.2%増の3兆7000億円と予測されている。

  • 半導体製造装置市場

    日本製半導体製造装置の市場推移と予測 (出所:SEAJ)

半導体製造装置の日本市場における動向

2021年度の半導体製造装置の日本市場での販売高(日系企業および国内外外資系企業の日本国内市場での売上高合計)は、メモリおよびイメージセンサが投資をけん引し、同6.1%増の8500億円と予測されるという。また、2022年度はイメージセンサとメモリに加え、パワー半導体での投資が拡大する見通しで同34.1%増の1兆1400億円、2023年度は大手ファウンドリによる大規模投資が見込まれるため、同36.0%増の1兆5500億円と予測されている。

  • 半導体製造装置市場

    日本市場の販売高推移と予測 (出所:SEAJ)

半導体の設備投資需要は今後も堅調に推移

SEAJでは、半導体を消費するアプリケーションとして、スマートフォン(スマホ)の販売台数そのものは安定しているものの、5G仕様のハイエンド品の比重が急速に高まっていること、パソコンは世界的なテレワーク特需の反動や部品不足により台数が伸び悩んでいるものの、Windows 11の登場やゲーミング需要の拡大による搭載CPU/GPUの高度化、ならびにメモリの大容量化が進むことが期待されること、ハイパースケーラーの設備投資意欲が依然として旺盛であること、などから引き続き半導体市場が好調に推移すると予測。

さらに今後はカーボンニュートラルの実現に向けた世界的な動きの一環として、電気自動車へのシフトによるパワー半導体の重要性の向上、ならびに自動運転に向けたAI向け半導体などによる大きな技術革新につながることも期待されるとしている。

実際にWSTSが11月に発表した2021年の半導体市場成長率予測は前年比25.6%増と高い成長を見込んでおり、メモリ、ロジックともに2桁増が見込まれ、2022年も好調が続くと見られている。それに伴い、設備投資も2019年から続くロジック・ファウンドリの積極投資が2021年にさらに拡大。そこにDRAM、NANDの投資活発化も上乗せされることで活況を呈することとなっているという。

なお、この予測は、SEAJ半導体調査統計専門委員会による需要予測と SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたものだという。