高電圧電力変換IC専業ファブレスである米Power Integrationsは、100mm×140mmのデュアルIGBTモジュール向け「SCALE-iFlex」シングル・プラグアンドプレイ・ゲートドライバを発表した。

同製品は、三菱のLV100/HV100、InfineonのxHP2/xHP3、ABBのLinPak、日立のnHPD2などの最新の標準IGBTパワーモジュールの形状に適合しており、最大3.3 kVをサポートし、小型で耐久性のあるドライバを必要とする照明レール、再生可能エネルギー分野などでの活用を想定しているという。

また、独自のASIC技術により、従来製品比で部品数を削減することを可能としたほか、通常動作中にアドバンスト・アクティブ・クランプ(AAC)機能による過電圧保護を可能としているという。

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    鉄道規格の認証も受けているデュアルIGBTモジュール向けシングルゲートドライバ

このほか、同社は「SCALE-iFlex LT」プラグアンドプレイ・ゲートドライバも発表している。同製品を用いることで、Infineonの複数並列EconoDUALモジュールのパフォーマンスが20%改善され、発電インバータおよびコンバータの積み上げから6 のモジュールごとにそのうちの1つを削減できるようになったという。

再生可能エネルギーの生成とストレージにおける複数の用途を対象としており、特に3~5MWの洋上風力発電のタービンなどでの活用が期待されるとしている。

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    最大6個のIGBTモジュール向けデュアルゲートドライバは洋上風力発電のタービンなどでの活用が期待されている

Power Integrationsのプロダクト マーケティング マネージャーであるThorsten Schmidt氏は「出力電力が同じ場合、競合製品のアプローチでは6つの並列モジュールが必要であるが、SCALE-iFlex LTを使用するシステムでは5つの並列モジュールで済むため、コストと複雑さの削減が可能となる。これは、モジュール間のターンオンとターンオフコマンドの変動が20ns以下、定格600Aで動作する場合のモジュール間の変動が20A以下に保証されることにより実現した。これにより、最先端ではないドライバではありがちな電流の遅延なしで、モジュールの動作の信頼性を向上できる」と述べている。

なお、同製品では、集積ブースター回路を搭載する同社の「SCALE-2 ASIC」の高速なターンオンとターンオフにより、スイッチング損失を3~5%削減するとしているほか、AAC機能により、より高いDCリンク電圧が達成可能となるほか、ドライバは1700Vに対する強化絶縁を備えており、無加工か樹脂コーティングを注文することができるとしている。