分散する技術関連部門のオフィスを統合

KDDIグループでBPOおよびコンタクトセンター事業を中心に展開するKDDIエボルバは、2020年末に技術統括本部として技術関連部門をとりまとめた新オフィスを設置。ニューノーマル時代に多様化する働き方に対応する新たなオフィスとして運用を開始した。

「技術統括本部には社内向けにBPO・コンタクトセンター事業の運用を支える情報システム部門と、コンタクトセンター向けに新たな技術を付加して価値を向上させるサービス開発本部、システムツール類の開発を行うシステム開発本部という3つの部門で構成されているのですが、従来はそれぞれ別のオフィスで運用されていました。本社がまとまったことをきっかけに技術部門の拠点もまとめたいという話は2年ほど前から出ていたのですが、いい物件がないことで止まっていました」と新オフィス設置の経緯を語るのは、KDDIエボルバ サービス開発本部事業統括部の部長である遠藤淳氏だ。

  • KDDIエボルバ サービス開発本部事業統括部 部長 遠藤淳氏

オフィス統合にあたり、ニューノーマルへの対応を掲げているが、コロナ禍が直接的な契機ではない。もともと、有事には即座に対応できるよう、本社と隣接している立地であること、技術部門のオフィスをまとめるにあたって十分な広さが確保できることなどを条件に、新たなオフィスを探していたが物件がないまま時間が経過。結果として、コロナ禍の影響で求める物件が空いたという。

「コロナ禍がきっかけになったのは確かでしょう。ちょうどいい条件で1フロア空くことがわかり、兼ねてからオフィス統合の希望を知っていた経営陣からも『条件がそろったのならばやるべきだ』という判断が下されました」と、遠藤氏は語る。

もともとの要望は分散する3部門の統合とオフィス集約を主眼とし、技術部門が集うオフィスとしてのセキュリティ強化、障害対応能力の強化といった側面が重視されていた。しかし、コロナ禍により在宅勤務をはじめとするテレワークが活発化したことを受け、現在求められるニューノーマルに対応したオフィスであることも強く意識されるようになった。以前からの計画と要望に、時代の要請への対応を加えたオフィス刷新だ。

席数40%減とフリーアドレス化でニューノーマルに対応

新オフィスでは、席数を40%削減してフリーアドレス化を実施。業務内容に合わせてテレワークを選択する裁量をある程度エンジニアが持つことで、出社人数が減ることを見越している。仮に全社員が出社することになった場合も、会議室などの開放や隣接する本社の座席利用などにより対策は用意されているという。

「緊急事態宣言中は、最も利用率が高い部門で80%程度、現地作業などが必要な部門で30%程度がテレワークを利用していました。今後もオンラインとオフラインを共存させるような形の働き方が推進されるだろうと考え、このオフィスは40%を前提に組み立てました」と語る遠藤氏。

さらに、「ニューノーマルが浸透してきたことで、ABW(Activity Based Working)的な意識が自然と身についているように感じます。この作業に一番効率がいいのはどちらなのかを優先して考えるようになり、集中作業なら自宅で行う、コミュニケーションが必要なものは出社する、これはオンラインでコミュニケーションを取る、と作業ベースで効率を意識するようになっています」と、現在のオフィスの様子を説明してくれた。

以前からニューノーマル対応のために出社率の調整を行うなどしてきたため、ユーザー側からも席数減をはじめとする新しいオフィスの使い勝手に不満は出ていないという。

「もう少し使いづらい部分があることも想定していましたが、思ったよりも機能的に使えたという印象です。フリーアドレスも一部利用していた部隊が合流したこともあり、大きな混乱もなく利用を開始できました。現在は、基本的に全員がフリーアドレスで、必要に応じてオンラインミーティング用の席なども利用し、機能的に使えていると思います」と遠藤氏は話す。

  • フリーアドレスの執務エリア。大きな画面で仕事ができるよう、各席に液晶モニターが据え付けられている