先端半導体研究機関であるベルギーimecは、EUV光源と米Inpriaの金属酸化物レジストを用いた干渉リソグラフィイメージングによる高NA条件下における20nmピッチのライン&スペース(L/S)のレジストパターニングに成功したことを発表した。
EUV干渉リソグラフィの高NA性能が実証されたことは、300mmウェハ上での高NA EUVパタ―ニング・エコシステムの開発を加速する目的で開設されたimecと米国の特殊レーザーメーカーKMLabsの共同研究施設「AttoLab」の重要なマイルストーンとなったという。
また、光干渉ツールを使用することで、ミラーから反射された光と、光源から直接放出された光を干渉させつつフォトレジストイメージングを実行することにより、干渉する光の角度を変えることでレジストパターンのピッチを調整することができたことから、ASMLの最初の高NA(=0.55)EUV試作露光装置「EXE:5000」が利用可能になる前に、プロセス開発用に20nmライン&スペースをパターニングした300mmウェハを提供する道が開拓できたとimecは主張しているほか、実験ではウェハ片を用いる形で実施されたが、その結果については次のステップである300mmウェハ干渉露光へと発展するための重要な情報となるとしている。
imecの主幹研究員でSPIE学会フェローのJohn Petersen氏は、「この分光ビームラインを用いた基礎的な実験結果は、ASMLのEXE:5000試作機がimecに搬入され利用可能になる前に、次世代(つまり、NA=0.55の高NA)EUVリソグラフィ露光装置に必要となる材料の開発が可能になることを意味している。現在、300mmウェハ対応EUV干渉リソグラフィ実験装置を設置しているところで、これによりレジスト材料をスクリーニングし、パターニング後のエッチングや計測技術の開発をサポートすることになる」と、今後の計画を示している。