2020年9月の米Corningの中国合肥工場、2020年12月の日本電気硝子の高月事業所でのディスプレイ用ガラス基板工場トラブルに続き、AGC傘下のAGCファインテクノコリアでも2021年1月29日に爆発事故が起きた模様だ。同工場は2020年5月にも溶解炉に亀裂が発生しガラス溶液170トン余りが漏れる事故が起きたばかりだという。

今回の事故によるガラス需給への影響は、直近の2021年第1四半期ではなく、第2四半期以降に出てきそうだとFPD市場動向調査会社であるDSCCの東京駐在アジア代表の田村喜男氏は見ている。日本電気硝子のトラブルによる需給への影響は2021年の第1四半期に、AGCのトラブルよる影響は、同第2四半期の需給に影響を与えるという。今回のトラブルにより、2021年第2四半期から量産出荷予定であった窯が、数か月先延ばしとなりそうとのことである。

今回の爆発事故が起きた窯は、定期修理(定修)中であったものを2021年第2四半期から第8.5世代や第10.5世代向けに立上げようとしていた窯の可能性がある。実のところ、同工場の生産品の大部分は、韓国向けは少量で、中国向けが多いとされている。

同工場には4つの窯が存在しているが、定修中の窯を立ち上げようとして起きた事故であるのならば、現状のAGCの総生産能力が減少するのではなく、2021年第2四半期からの増産のタイミングが数か月先延ばしされる可能性があるということになるという。

AGCの中国顧客はChina StarとHKCがメインであり、今回の窯はChina Star向けに増量することを目的としたものの可能性が高い。しかし、China StarはAGCの有力顧客であるため、こうした中にあっても優先供給される可能性もあることから、世界各国にあるガラス基板工場からのサプライチェーンを変更して対応する可能性があることも考慮する必要があるという。そうなればChina StarよりもむしろHKCや台湾メーカーなどに影響が及ぶ可能性があると田村氏は見ている。

なお、今回の事故についてAGCは2月3日時点では少なくとも日本国内向けに公式発表をしていないため、これらの予測は、あくまでも現時点までに各所より得た情報をもとにしたDSCCの推定である。