アルテミス・チーム

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    アルテミス・チームの18人の宇宙飛行士 (C) NASA

ジョセフ・アカバ(Joseph Acaba)宇宙飛行士

1967年生まれ。もともと教師として科学や数学を教えていたが、2004年にNASA宇宙飛行士候補に選ばれた。2009年にSTS-119スペースシャトル・ディスカバリーで初の宇宙飛行へ飛び立ち、その後もロシアのソユーズ宇宙船で2回宇宙へ行き、国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在もこなしている。そのうち2012年には、日本の星出彰彦宇宙飛行士とともに第32次長期滞在クルーを、また2017年には金井宣茂宇宙飛行士と第54次長期滞在クルーとなった。これまでに累計306日間を宇宙で過ごし、3回の船外活動を行っている。

ケイラ・バロン(Kayla Barron)宇宙飛行士

1987年生まれ。米海軍中佐。システム工学の学士号と原子力工学の修士号を取得後、米海軍で潜水艦の士官を務める。その後、2017年にNASAの宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

ラジャ・チャリ(Raja Chari)宇宙飛行士

1977年生まれ。宇宙工学の学士号と航空宇宙工学の修士号を持つ。米海軍のテスト・パイロット学校の卒業生で、F-15EのアップグレードやF-35の開発プログラムに従事したあと、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

マシュー・ドミニク(Matthew Dominick)宇宙飛行士

1981年生まれ。電気工学の学士号とシステム工学の修士号を持つ。米海軍のテスト・パイロット学校の卒業生で、米海軍で空母艦載機のテスト・パイロットを務めたあと、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

ビクター・グローバー(Victor Glover)宇宙飛行士

1976年生まれ。米海軍中佐。テスト・パイロットとして、40種類の飛行機で3000飛行時間以上の経験を持つ。2013年に宇宙飛行士候補に選ばれ、今年11月に打ち上げられたクルー・ドラゴン宇宙船「レジリエンス」Crew-1のパイロットとして初の宇宙飛行を実施。現在も野口聡一宇宙飛行士らとともにISSに滞在している。

ウォーレン・ホバーグ(Warren Hoburg)宇宙飛行士

1985年生まれ。航空工学と宇宙工学の学士号、電気工学とコンピューター科学の博士号を持つ。マサチューセッツ工科大学で助教授を務めたあと、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

ジョニー・キム(Jonny Kim)宇宙飛行士

1984年生まれ。高校卒業後、米海軍に入隊し、特殊部隊SEALsの隊員を務める。その後大学で数学の学士号と医学の博士号を取得。2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

クリスティーナ・ハンモック・コック(Christina Hammock Koch)宇宙飛行士

1979年生まれ。電気工学と物理学の学士号と電気工学の修士号を持つ。2013年に宇宙飛行士候補に選ばれ、2019年にロシアのソユーズMS-12で初の宇宙飛行に飛び立ち、ISSの長期滞在を実施した。この1回のミッションで328日間にわたり宇宙滞在に滞在し、女性の1回の宇宙滞在の最長記録を保持している。

ケル・リンドグレン(Kjell Lindgren)宇宙飛行士

1973年生まれ。医学の博士号などを持ち、スペースシャトルや宇宙ステーションのミッションをサポートする航空医官(フライト・サージャン)として活躍したあと、2009年に宇宙飛行士候補に選ばれた。2015年にソユーズTMA-17MでISSを訪れ、第44/45次長期滞在をこなした。このとき日本の油井亀美也宇宙飛行士もいっしょに過ごしている。141日間を宇宙で過ごし、2回の宇宙遊泳を行った。

ニコール・A・マン(Nicole A. Mann)宇宙飛行士

1977年生まれ。米海兵隊中佐。機械工学の学士号と修士号を持つ。米海兵隊でF/A-18戦闘機のテスト・パイロットを務め、さらに25種類以上の航空機によって2500時間以上の飛行経験も持つ。2013年に宇宙飛行士候補に選ばれ、まだ宇宙飛行の経験はないが、ボーイングが開発している宇宙船「CST-100スターライナー」の飛行試験のパイロットとして訓練を受けている。

アン・マクレーン(Anne McClain)宇宙飛行士

1979年生まれ。米陸軍中佐。機械・航空工学の学士号や、航空宇宙工学と国際関係の修士号を持つ。陸軍のパイロットを務めたあと、2013年に宇宙飛行士候補に選ばれた。2018年にソユーズMS-11でISSを訪れ、204日間を宇宙で過ごし、2回の宇宙遊泳を実施した。なお2019年には、ISS滞在中に元パートナーの銀行口座に不正アクセスしたとして訴えられ、史上初の「宇宙犯罪」として注目を集めたが、のちにこの元パートナーの虚偽の告発だったことが明らかになり、潔白が証明された。

ジェシカ・メイヤー(Jessica Meir)宇宙飛行士

1977年生まれ。生物学の専門家。NASAに来る前は、過酷な環境下での動物の生理学を研究していた。2013年に宇宙飛行士候補に選抜。2019年にソユーズMS-15でISSを訪れ、205日間を宇宙で過ごし、3回の宇宙遊泳を行っている。またそのうち2019年10月18日には、前述のクリスティーナ・コック宇宙飛行士とともに、史上初となる女性だけの船外活動に参加した。

ジャスミン・モグベリ(Jasmin Moghbeli)宇宙飛行士

1983年生まれ。米海兵隊少佐。航空宇宙工学の学士号と修士号の両方を持つ。米海兵隊でH-1ヘリコプターの試験に従事したのち、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

ケイト・ルービンズ(Kate Rubins)宇宙飛行士

1978年生まれ。分子生物学やがんの研究者を経験したのち、2009年に宇宙飛行士候補に選抜。2016年にソユーズMS-01でISSを訪れ、同乗していた日本の大西卓哉宇宙飛行士らとともに第48/49次長期滞在クルーを務めた。また今年19月にはソユーズMS-17に乗ってふたたび宇宙へ飛び立ち、現在もISSに長期滞在している。

フランク・ルビオ(Frank Rubio)宇宙飛行士

1975年生まれ。米陸軍中佐。国際関係学の学士号と医学の博士号を持つ。ブラック・ホークのパイロットと航空医官(フライト・サージャン)として従事したのち、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

スコット・ティングル(Scott Tingle)宇宙飛行士

1965年生まれ。米海軍大佐。機械工学の学士号と修士号を持つ。宇宙企業の技術者や米海軍のテストパイロットなどを経たのち、2009年に宇宙飛行士候補者として選抜される。2017年にソユーズMS-07で、日本の金井宣茂宇宙飛行士らとともにISS長期滞在を経験。168日間を宇宙で過ごし、1回の宇宙遊泳を行った。

ジェシカ・ワトキンス(Jessica Watkins)宇宙飛行士

1988年生まれ。地質環境科学の学士号と地質学の博士号を持つ。カリフォルニア工科大学で火星探査車「キュリオシティ」の科学チームの一員として活躍したのち、2017年に宇宙飛行士候補に選ばれた。宇宙飛行はまだ未経験。

ステファニー・ウィルソン(Stephanie Wilson)宇宙飛行士

1966年生まれ。エンジニアリング・サイエンスの学士号と航空宇宙工学の修士号を持つ。技術者として木星探査機「ガリレオ」の開発などに従事したのち、1996年に宇宙飛行士候補として選抜された。2006年にSTS-121ミッションで初飛行し、これまでにスペース・シャトルで3回飛行し、42日間の宇宙滞在を経験している。そのうちSTS-131では日本の山崎直子元宇宙飛行士とともにミッションをこなした。

  • アルテミス

    アルテミス・チームの宇宙飛行士が月に降り立つ際に使用する月着陸船の想像図 (C) NASA

参考文献

NASA Names Artemis Team of Astronauts Eligible for Early Moon Missions | NASA
NASA The Artemis Team
NASA Artemis