半導体市場調査会社の台湾TrendForceは、2020年第2四半期に新型コロナウイルスの感染拡大に伴うサーバ特需がピークを迎えた結果、第3四半期にサーバのベアボーンが積み増され、その消費が優先されるため第4四半期のサーバDRAM価格は前四半期比13~18%減の下落になるとの予測を発表した。同社は以前、同四半期のサーバDRAM価格の下落率を同10~15%減と予測していたことから、やや下方修正したこととなる。

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    2020年の各四半期ごとのサーバメーカーのサーバーベアボーン生産数量とサーバーセット出荷数量の推移予測、ならびにサーバDRAM価格の前四半期比予測 (出所:TrendForce)

HuaweiがサーバDRAM爆買いも、価格下落に歯止めがかからず

TrendForceの分析によると、企業は第3四半期にサーバの調達を大幅に引き下げたという。その結果、同四半期のサーバベアボーンの生産数は同10%減、サーバセットの出荷数も同4.9%減と、従前予測よりも高い下落率となった。第4四半期は、サーバメーカーが抱えるサーバベアボーンの在庫が徐々にだが減っていくことが期待されるため、サーバ出荷数そのものは若干の改善が期待されるという。

また、サーバDRAMはDRAM製品の中でも収益性が高いため、DRAMサプライヤ各社も積極的に生産しており、供給量も増加傾向にある。しかし、第3四半期以降は、サーバ生産が減速した結果、サーバDRAMは在庫過剰気味となっている。一方、Huaweiは、9月15日以降に生じる米国政府による輸出管理規制の効力が発揮される前に、各種半導体の在庫をできる限り購入する動きを見せており、サーバDRAMも爆買いしたと言われている。

ただ、HuaweiのサーバDRAMの爆買いがあったにも関わらず、サーバDRAM市場全体で見れば、供給過剰を解消するにまでは至っておらず、需要側で大量の在庫を抱えている状況に変化はなく、その結果、サーバDRAMの契約価格は下落を続けているという。そのため、TrendForceでも第4四半期の大口契約価格はまだ確定していないものの、全体的な下落傾向から、例えば32GBサーバDRAMモジュールの契約価格は前四半期比で15%以上下落する可能性が高いとしており、32GBモジュール以外でも同様の価格下落の動きがあることから、全体として第4四半期のサーバDRAMの価格を前四半期比で従来予測の10~15%減から13~18%減へと引き下げたとしている。