Samsung Electronicsは9月15日、画素ピッチを従来の0.8μmから0.7μmへ縮小しつつも、1億800万画素を実現したイメージセンサ「ISOCELL HM2」など4製品を発表した。
同社によると、ISOCELL HM2は画素ピッチを0.1μm狭めたことで、従来品比でセンササイズを最大15%小型化、カメラモジュールの高さも最大10%削減できたという。
また、4製品には各画素が受け取った光を保持する独自技術「ISOCELL Plus」と、最適な露出になるように適切にISOを調整することで、入射光の最大限の活用を可能とした「Smart-ISO」を採用したほか、2020年後半に発表される予定の0.7μm製品には、ピクセルサイズが縮小しても、セル間の壁構造を改良することで、ISOCELL Plus比で、最大12%の光感度向上を可能としたISOCELL 2.0が搭載される予定だという。
ISOCELLは、2013年に発表された画質向上技術。物理的なバリアを配置することによりピクセル間のカラークロストークを減らし、小型ピクセルでも高い色忠実度を実現できるようにしたもので、2018年に改良版のピクセル分離技術「ISOCELL Plus」が発表されたほか、今回、さらなる発展版「ISOCELL 2.0」が発表された。
4種類のイメージセンサ、それぞれの特徴
今回、Samsungが発表した4つのイメージセンサは以下のとおり。
- 1億800万画素品「ISOCELL HM2」
- 4K画質で60フレーム撮影が可能な6400万画素品「ISOCELL GW3」
- 超広角と屈曲光学ズームが可能な4800万画素品「ISOCELL GM5」
- ベゼルレスデザイン向け3200万画素品「ISOCELL JD1」
「ISOCELL HM2」は同社3世代目となる1億800万ピクセルイメージセンサ。従来世代と比べ、より高速かつ効果的な位相検出オートフォーカスソリューションを備えているという。
「ISOCELL GW3」は、メインストリーム向け6400万画素のイメージセンサ。そのサイズは同社の既存製品である0.8μmピッチの4800万画素品と同程度だという。また、60fpsで最大4K解像度のビデオ録画もサポートしている。
「ISOCELL GM5」は望遠または超広角カメラとしての使用を前提に設計された4800万画素のイメージセンサ。屈曲光学系を用いたズーム(Folded Zoom)用の5倍光学望遠鏡として使用した場合でもカメラ部分の膨らみを最小限に抑えることができるという。また、480fpsの高速フルHD記録をサポートしているほか、2行2列の画素を組み合わせることでノイズの少ない明るくて鮮明な画像を実現するスタッガードHDR機能も搭載しているという。
「ISOCELL JD1」は、1/3.14型の3200万画素イメージセンサ。搭載したカメラモジュールの高さは0.9μmピッチの2000万画素または1.0μmピッチの1600万画素イメージセンサと同等としており、カメラをパネル内に収めることを可能としている。また、同イメージセンサもスタッガードHDRに対応しているという。
なお、HM2、GW3、JD1についてはすでに量産が始まっており、GM5についても2020年第4四半期から量産が開始される予定だという。