Samsung Electronicsは5月19日、ハイエンドスマートフォン向けに1.2μmピクセルサイズの5000万画素CMOSイメージセンサ「ISOCELL GN1」を開発し、量産を開始したことを発表した。

  • ISOCELL GN1

    Samsungの1.2μmピクセルサイズの5000万画素CMOSイメージセンサ「ISOCELL GN1」

ISOCELL GN1は、デュアルピクセル(Dual Pixel)技術とテトラピクセル(Tetracell)技術の両方を搭載した同社初のCMOSイメージセンサであり、比較的大きなピクセルサイズを採用したことで、暗い場所での撮影でも光を集めやすく、かつよりダイナミックな写真撮影体験のために最適化された一眼レフ級のオートフォーカス速度を実現したという。

同製品のデュアルピクセルは、1億個のフォトダイオードで構成された位相差検出オートフォーカス(PDAF)機能により、高速オートフォーカスを実現したもの。単一のピクセル内に2つのフォトダイオードを並べて配置し、位相検出のために異なる角度から光を受け取ることができ、センサのすべてのアクティブピクセルがオートフォーカス機能に寄与することで、暗所でも、静止または動いている物体を瞬時に検出して焦点を合わせることができるという。また、同社では、各フォトダイオードからの光情報を取得して1億ピクセルに匹敵する画像解像度を生成するソフトウェアアルゴリズムを採用したとしている。

一方のテトラセルは、より多くの光を取り込んで処理するピクセルの容量を改善するピクセル統合技術で、4つのピクセル信号を1つにすることで、イメージセンサのピクセルサイズを2.4μmに増加させ、感度を高めた1250万ピクセルの明るい画像を生成することを可能とする。。これらの高速オートフォーカス機能と感度改善により、同製品は極端な低照度環境でも対象物にすばやく焦点を合わせて、より鮮明でシャープな結果を提供できるという。

さらに同製品には、最適なISOを適切に選択するSmart-ISO、複数の露出で撮影できるリアルタイムHDR、シャープな画像を撮るジャイロベースの電子式手ブレ補正(EIS)も搭載。プレミアムビデオ品質の場合、イメージセンサは30フレーム/秒(fps)で最大8K解像度のビデオ録画ができるという。

なお、スマートフォン業界の関係者筋情報によると、SOICELL GN1は、中国のスマートフォンサプライヤvivoが2020年6月に発売する予定のモデルに採用するようだとのことである。Samsungは、韓国の華城事業所のDRAM製造ラインの一部をCMOSイメージセンサ向けに変更して生産能力を増すなど、イメージセンサ事業に注力しているが、これは韓国政府の方針に基づくSamsungの非メモリビジネス強化の一環で、SK Hynixも同様に非メモリビジネスを強化する戦略を採用し始めている。