半導体製造装置大手のApplied Materials(AMAT)は3月23日(米国時間)、4月26日に期末を向かえる同社の2020年度第2四半期(2020年2~4月)の業績予想を撤回することを発表した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大が、同社のサプライチェーンと製造事業に影響を与えているためだという。

同社からは、「グローバルな事業ネットワークに柔軟性と冗長性を持たせているが、米国をはじめ各国政府のさまざまな政府命令や航空各社の世界的な運航縮小により、業界を支えるサプライチェーンやロジスティクス業務に大きな支障が出ている。状況は流動的であり、次回の業績発表カンファレンスコールの際に最新情報を報告する予定である」とコメントが出されている。

ただし、同社はその一方で、KOKUSAI ELECTRICの買収提案にも引き続きコミットし、規制当局の承認を待って手続きを完了する方向で作業を進めているともしている。

半導体製造装置業界では、すでにLam ResearchやVecco Instrumentsなどシリコンバレーにある製造拠点の操業を停止しているメーカー各社がガイドライン(業績目標予測)の撤回を株主に伝える動きを見せており、AMATもこうした動きに続いたこととなる。

なお、SEMI(国際半導体製造装置材料協会)およびSEAJ(日本半導体製造装置協会)によると、直近の2020年2月の北米製半導体製造装置の売上高は前年同月比26.2%増の23億684億ドル、日本製は同14.4%増の1724億2000万円であり、市場は完全に回復したとみられていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が早期に収束しない限り、年間としてはマイナス成長に転じる可能性が出てきたといえるだろう。