電気自動車(EV)の製造を手掛けるTesla(テスラ)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市およびシリコンバレーを含むサンフランシスコ湾岸(ベイエリア)地域の6つの群が対象となっている3月17日(米国時間)の早朝から3週間、原則的に個人の外出禁止、必要不可欠な業務を除いた業務の操業停止命令(Shelter-in-Place Order)が発令されたにも関わらず、操業を継続。カリフォルニア州アラメダ郡の保安官事務所が、最低限のオペレーションの継続のみ許されるというコメントを出したにも関わらず、3月18日も操業を継続していると米国の複数メディアが報じている。

アラメダ郡の保安官事務所の発したコメントは、「Teslaが緊急修理のための自動車整備工場だったら操業継続を許可したが、自動車の製造は今回の危機を乗り越えるために必要不可欠な事業とは認めがたく操業停止を命じることとなった。なお、工場インフラの保守管理や給料支払いのための事務処理業務などは、必要不可欠な業務と認める」といったもの。フリーモントの同社工場はモデル3、モデルX、モデルS、モデルYといった同社の大多数のEVの生産を担っており、その従業員数は1万人を超すとされる。

3月18日時点(米国時間)で、サンフランシスコ市、シリコンバレーを含むベイエリアで操業継続が認められているのは、以下に記されるような「必要不可決と認められた業種」だけであり、この中には、EVや半導体、半導体装置、材料などの製造業は含まれておらず、強制的に3週間の操業停止が命じたこととなる。Googleなどのサービスプロバイダは必要不可欠な事業として操業継続を認められているが、社員のほとんどはテレワーキングで対応している。この地域では、原則として個人の外出は禁じられ、外出許可条件が細かく規定されており、違反者は処罰の対象となる。

  • ヘルスケア事業およびインフラ(病院、ユーティリティとしての電力・ガス・エネルギー)
  • 食料品店、ファーマーズマーケット、農場と農産物のスタンド、フードバンク、コンビニエンスストア、および食品を販売するその他の小売業者
  • 食料栽培事業(農業、漁業)
  • 社会的サービス、避難所困窮者に食料を提供する企業または組織
  • 新聞、テレビ、ラジオ、その他のメディア
  • ガソリンスタンドおよび修理店を含む自動車関連事業
  • 銀行および金融機関
  • ハードウェアを扱う店舗
  • ビジネスを運営し続ける配管工、電気技師、およびその他のサービスプロバイダー
  • 配送、宅配および郵便事業
  • 遠隔授業を行う教育機関
  • ランドリーサービス(コインランドリー、ドライクリーニング会社)
  • 配達と持ち帰り専用のレストラン(店内飲食のレストラン、バー、カフェは営業禁止)
  • 在宅勤務に必要なアイテムを人々に提供するビジネス* または必要な物資を不可欠事業に提供するビジネス
  • 食料品を出荷し、家庭に直接供給する事業
  • 航空会社、タクシー、および民間輸送サービス
  • 高齢者、大人、子供向けの在宅ケア
  • 企業のコンプライアンスを維持する法律および会計サービス
  • 小規模な保育施設

こうした状況にも関わらずTeslaは、3月18日に従業員にメールを送り、車両の製造を継続することを指示したため、3月18日(米国時間)も同社の工場は稼働しているとサンノゼの地元紙The Mercury Newsなどが伝えている

Teslaは稼働継続の理由として、郡の保安官事務所は、操業停止を命令しているが、規制当局の各レベルから操業継続が許可される「必要不可欠な業務(Essential business)」に関して異なった指示が同社に出ており、Teslaとしては、サービス、配送、テスト、顧客サポートなどの重要な業務は「必要不可欠な従業員」により業務を継続する必要があるといったことを挙げているとされる。サンフランシスコ湾岸地域のほかの企業が命令に従い3週間にわたり操業停止する中、同地域でも最大級の従業員を抱える同社のフリーモント工場が当局のこうした事業の停止命令に反して、操業を継続し続けられるのか否か周辺のほかの企業などからも注目が集まっているようだ。